解散を告げられたときは「ついに来たか」と
――他のメンバーも日記のようなものはつけていましたか?
ANDO みんな結構、つけていたような気がします。私の場合は写真が多かったですね。だからこの本を読みながら(スマホの)カメラロールと照らし合わせたり、リハーサルやダンスのメモを見返したりしながら、この時にこの子とこういう話をしてこんな気持ちになったな、そういう記憶を書き込んだ付箋を本に貼り付けて、私の『解散ノート』にしています。
――読んでみて、改めて感じたことはありますか?
ANDO BiSHはドキュメンタリー映像が結構あるので、記録はそこに残ると思っていたんです。でもモモコさんの言葉から場面、場面の情景がすごく鮮明に浮かんできました。空気感も。
文章だからこそ伝わってくる、思い出すものがたくさんあって。
――『解散ノート』は事務所代表の渡辺淳之介さんから解散を告げられた日から始まります。この本を読むと、モモコさんの目には《リンリンはそれほど動じていないように見えた》と映っていますが、ANDOさんはその時どう思っていましたか?
ANDO ついに来たか、と思いました。私はもともとアイドルがすごく好きでアイドルの最後は解散か卒業しか見たことがなかったのでいつか来るだろうなって思ってて。同時に、なんか面白いことをするな、みたいなのもありました(笑)。
それと、BiSHが順調にいっているなかで渡辺さんがそう決断したのは、メンバー6人の人生を大切に思ってくれての優しさでもあると思ったので、私は結構すんなり受け止められました。
モモコさんの悩み、もっと知ってあげたらよかったな
――この本には、モモコさんの迷いや、自分は何者なのかという未来の自分への不安が書き込まれていました。モモコさんの悩みは、そばで感じていましたか?
ANDO こんなことを思っていたんだ、こんなに落ち込んでいたんだと思いました。
イジられすぎることが好きじゃないことは知っていました。傷つきやすい部分がある、そういう印象もあったんですけど、こんなに周りと自分を見比べたり追い詰めていたことまでは気が付かなかったので、もっと知ってあげたらよかったなと。
モモコさんは一緒にいると励ましてくれるタイプで。「リンリンは大丈夫だよ」「リンリンは好きなことをいっぱい発信したらそれがお仕事になってるからいいじゃない」って言ってくれて。私なんか、モモコさん、いろんな本とかお仕事をたくさんしているなと思ってたので。
弱いところを見せずに、気がついたらいなくなったり新幹線や飛行機の座席を変えて、そこで泣いていたり。モモコさんは1年に1回くらい「もう駄目かもしれない」とか言うことがあったんです。そういうときに手を差し伸べてあげていたらな、と思いました。