小泉進次郎「プリンス」はなぜ変節したか

常井 健一 ノンフィクションライター
ニュース 政治

「未来の首相」が抱く苦悩を読み解く7人の証言

「オーラが消えた」小泉進次郎氏 ©文藝春秋

 逃げまくる姿に、「安倍晋三」と同じ匂いを感じた。自民党総裁選で石破茂が掲げた「正直、公正」というスローガンを誰よりも体現していたはずの男の仕草から、である。

 追いかけても、追いかけても、目すら合わせようとしない。出張先から東京に帰る前、せめて空港で見送ろうとしたところ、人けのない搭乗口付近で待ち構える私に気づかないふりをして立ち去ろうとした。ほんの数カ月前、取材そっちのけでお互いの未来をざっくばらんに語り合ったことが、遥か昔に思えた。

 あの時、2人で映画の話をしたのを覚えている。男は、春に公開された『ウィンストン・チャーチル』に出てくるセリフを得意げに諳(そら)んじた。

〈勇敢に戦って敗れた国はまた起き上がれるが、逃げ出した国に未来はない〉

 第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの挑発に抗うか否かで揺れる英国首相が突如、ひとりで地下鉄に乗り込むシーンが山場に出てくる。

〈俺たちは絶対に屈しない!〉

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source : 文藝春秋 2018年11月号

genre : ニュース 政治