岸田首相、大物次官を育んだ「ボートレース」と「棒倒し」
開成高校OBが集う「永霞会」
「恐れを知らない希望に満ちた時代だった。そうした時代をともにした仲間は人生の財産だ」
2017年9月、開成高校OBの政治家と国家公務員が集う「永霞会」の設立総会。会長に就いた岸田文雄(1976年卒、以下、カッコ内は開成卒業年)は挨拶でこう語った。同会には、当時の安倍晋三首相がメッセージを寄せ、北村滋内閣情報官(当時、1975年)、元財務次官で日本たばこ産業会長の丹呉泰健(1969年)らが出席するなど、「岸田首相」誕生にむけた応援団の様相を呈していた。
それから4年。総理の椅子に岸田文雄が座り、首相秘書官には開成OBで元経産次官の嶋田隆(1978年)、新設された経済安全保障担当大臣には小林鷹之(1993年)が起用された。
「事務方のトップである官房副長官には結局元警察庁長官の栗生俊一氏が就きましたが、直前まで岸田総理擁立に尽力した開成OBの北村氏が有力視されていた」(政治部デスク)
開成出身者が重要なポジションを占める政権の誕生に、永田町、霞が関のOBは大いに盛り上がった。
小泉純一郎首相の秘書官を務めた、前出の丹呉は、岸田首相にこうエールを送る。
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source : 文藝春秋 2021年12月号