訪ウは「4度目の正直」、「最強官庁」も今は昔、再評価された秘書官、度胸満点の新長官…

霞が関コンフィデンシャル

ニュース 政治 国際

日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする

★訪ウは「4度目の正直」

 内閣支持率が微増し、自らが議長を務める広島サミットを控えた岸田文雄首相が得意の外交でさらなる支持率上昇をと張り切っている。

 3月に実現したウクライナ電撃訪問は「4度目の正直」だった。最初は昨年6月、欧州訪問に合わせた計画だったが、まだ戦況も激しく実現性に乏しかった。2度目の昨年末は情報が漏れ、首相は森健良事務次官(昭和58年入省)ら外務省幹部と官邸官僚を「まず情報管理を徹底しろ」と叱責、計画は白紙となった。

 さらに2月には、米国から「安全が確保できない」と暗に再考を促され、断念する。だが、バイデン大統領の訪問計画が進行していた事情が判明。ウクライナのゼレンスキー大統領の訪問要請があったうえに、主要国首脳会議(サミット)議長の訪問への期待が強く、首相は「3月に行くしかない」と腹を決めた。

 訪問計画は、木原誠二官房副長官(平成5年、旧大蔵省)、嶋田隆政務秘書官(昭和57年、旧通産省)らとともに、外務省出身の大鶴哲也秘書官(平成3年)が連絡役となって山田重夫外務審議官(昭和61年)ら少人数で進めた。

 現地のロジを担ったのは中込正志欧州局長(平成元年)だ。首都キーウまでの行程と現地情勢の検分・確認をするため、同局中・東欧課長の近藤紀文(9年)を伴い、中継地のポーランドに前乗りしていた。

 夏の幹部人事では、ウクライナ訪問に同行した山田外務審議官の次官昇格が有力視される。しかし山田氏に燻る醜聞を問題視する向きも少なくなく、麻生太郎副総裁が推す条約畑エリートの岡野正敬内閣官房副長官補(昭和62年)に期待する声もある。山田氏が次官昇格すれば、韓国と粘り強く「徴用工問題」を折衝し、名を上げた船越健裕アジア大洋州局長(63年)が外務審議官に就任する。後任のアジア大洋州局長は有馬裕同局南部アジア部長(平成3年)とみられる。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年5月号

genre : ニュース 政治 国際