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2018/12/19


やがてアジア諸国で単純労働の担い手は奪い合いになる

 こうした国内における単純労働の担い手の変遷は、アジア経済の発展の裏返しともいえる。つまりGDPが日本を抜いて世界第2位になり、もはやその額は日本の倍にも達して経済成長を続ける中国には、もはや日本で単純労働に従事するというニーズがなくなってきている。もともと経済成長を続けてきた韓国ではすでに人手不足で日本に来る人材がいない。そのいっぽうで、経済成長はし始めたものの人口が急増し、人材が余るベトナム、インドネシア、フィリピンなどが人材の供給源になっているというのが実態だ。

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 日本は少子高齢化による労働力不足はむしろこれからが本番と言われている。働き手を高齢者と女性に頼ってきた日本は、高齢者の中で大きな塊を占める団塊世代が2025年以降は後期高齢者となり戦線を離脱し始める。女性の就業率も70%にまで高まり、今後大きな供給源として過度な期待をするには限界がある。

 技能実習制度で日本にやってくる外国人を奴隷のように扱ったり、その数を制限して国内の単純労働を司る労働者を保護しようとする政策は、やがては多くのアジア諸国から働く場所としての日本が敬遠されるようになるかもしれない。中国や韓国もやがて日本と同様に少子高齢化がやってくる。アジア諸国の単純労働の担い手は奪い合いになるからだ。

「日本で働くっていいね!」と思われる制度内容を

 むしろ改正入国管理法の施行で日本に今後5年間でやってくると予想される34万5150人の外国人をもう少しポジティブに受け入れられないものだろうか。

 外国人を「もの」のように扱う論調も目につくが、外国人労働者がやってくることは、たとえば不動産業界にとっては決して悪いことではない。彼らは日本にやってくれば必ず家に住む。全員が家を借りるわけではないが、仮に1名月額5万円のアパートやマンションに住むとして、その経済効果は年間2070億円にもなる。

 各人が10万円程度の家具や家電製品を買えば、340億円もの新たな消費が生まれる。外食もするだろうし、服も買う。特に地方では若者の人口が増えずに消費が停滞している中、外国人が増えることは必ずしもマイナスポイントばかりではないはずだ。

 人口の減少と高齢化に悩む自治体も多いが、外国人であれ、新たな人たちが街に転入することは、地域の消費を活性化させる。街の新陳代謝をよくすることは、街の消費活動を活発にし、街を再生させることにつながるはずだ。

 外国人に家を貸したくないなどという地主も相変わらず多いが、政府も国策として外国人をお招きするのであれば、外国人を嫌わずに居住させる賃貸住宅オーナーにはこの際、補助金を支給してもよいのではないか。すでに住宅セーフティネット制度で高齢者や障碍者、子育て世代などを住宅確保要配慮者と定め、入居を拒まないオーナーには補助を行っている。ここに特定技能を認定された外国人を加えてもよいのではないだろうか。

政府は「法案の内容はこれから詰める」というが……。©iStock.com

 また一口で外国人といっても宗教や生活習慣、価値観が異なるもの。国別や宗教別に外国人向けの賃貸サービスのメニューを整え、生活そのものから支援をする方法を考えてもよいかもしれない。

 いろいろ評判の悪い改正入国管理法だが、法案の内容はこれから詰めるのだという。ぜひ外国人に「日本で働くっていいね!」と呟いてもらえるような制度内容にしてほしいものだ。

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