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2020/05/18

genre : ニュース, 社会

 そもそも、この黒川氏の定年延長自体が、前代未聞として悪評を招いた。検事総長の任命権者は内閣だが、これまで検察組織の意向が受け入れられてきた。

検察庁 ©時事通信社

仮にこのまま黒川氏が検事総長になっても……

 今回、検察組織は林氏の就任をイメージしていたが、内閣が恣意的に黒川氏の総長就任のための線路を敷いた。そして、検察庁法改正案は「黒川氏問題」を後付けで正当化する意味合いを持つとされる。この改正案がこのまま成立したとしても、施行は2020年4月。黒川氏が改正法の恩恵を即座に被るわけではない。それでも、黒川氏は「元凶」として各メディアに取り上げられ、悪印象が定着してしまった。

 仮にこのまま黒川氏が次期検事総長になっても、最初からダークなイメージがつきまとい、検察に対する国民の信頼はおぼつかなくなる。

 黒川氏はとりわけ菅義偉官房長官と親密な関係があるとされるが、内閣もここに至っては黒川氏を総長に任命することへのハレーションに耐えきれなくなるのではないかと考えられる。かといって、今更、7月に定年を迎える前に林氏を総長に充てるという選択肢も想定しにくい。

菅義偉官房長官 ©文藝春秋

 そうした中、検察内部からは「いっそのこと、次の36期から次期総長を」との声が上がっている。36期といえば、まず名前が挙がるのが、最高検次長検事の堺徹氏だ。