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批判ばかりという“イメージ”

 ここで注意したいのは、野党は反対ばかりという「イメージを抱きがち」という部分。代表選でも泉氏は「批判ばかりと思われているイメージを変える」と訴えていた。批判ばかりの根拠が「イメージ」という言葉とセットになっていることがわかる。

 そのイメージは誰がひろげたのだろう? 面白かったのはこちらの分析だ。

『Dappiのツイート、誰が投稿? 平日に作業集中、頻出単語は…』(朝日新聞デジタル12月3日)

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 ツイッターの匿名アカウント「Dappi」。プロフィル欄に「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます。」と記し、野党を批判するツイートが多かった。

「Dappi」Twitterアカウント

 この「Dappi」の投稿内容を、テキスト分析ソフトを使って分析した記事なのである。

 あっ! と思ったのは次だ。

「Dappi」が最もよく使ったフレーズ

《「安倍」を含む706件のツイートを分析すると、最もよく使われたフレーズが「野党『ギャーギャー』」だった。》

 いかがだろうか。

 安倍政権時に「野党ギャーギャー」というツイートが量産され拡散されていたのだ。しかも、このアカウントはデマも混ぜてツイートしていた(だから名誉棄損の裁判になっている)。

 デマも入れた刺激的な表現をSNSでずっと拡散していたら、何気なくSNSを使っている人でも「イメージ」を刷り込まれる場合もあるだろう。こういうのが「野党は批判ばかり」の下地を作った可能性はないか。言ってみれば“地道なSNS活動”が実を結んだのではないか。

 では「Dappi」は誰がどんな目的で発信していたのだろう。特定の政党と関係はあったのか、なかったのか。かなり重要な問題になってくる。野党の新代表にここまで気にさせることに成功し、国会論戦にまで影響を与えた可能性をもっと重く考えたほうがいい。