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「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう。ロシアの若人のために。そして、日本の未来を担う人々のために。ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」

 この安倍氏のウラジオストクでの東方経済フォーラム演説(2019年)に対し、「これってポエムだろう」とネット住民が呆れ果てていると伝えるゲンダイ。「ほとんど“青年の主張”のような演説で、領土返還を迫る“迫力”はどこにもなかった」。

©文藝春秋

産経新聞は「安倍外交」をバッサリ

 しかし実は安倍氏にもっと厳しかった新聞があった。産経新聞である。プーチン大統領が日本へのあてつけのように「北方領土・色丹島での水産加工工場稼働を祝う式典に、中継映像で参加」したことを取り上げ、

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《安倍首相はプーチン大統領と親しいというが、会談を重ねた結果がこの仕打ちである。》

《さっさと帰国した方がよかった。》

 とバッサリ。社説のタイトルは「日露首脳会談 どうして席に着いたのか」(2019年9月6日)。

 読売新聞は首脳会談の前に「検証 安倍外交」という短期連載をしていた。安倍外交は側近が大きな影響力を持っているのも特徴とし、中国やロシアとの「協力」へ転換を主導したのは元経済産業官僚の今井尚哉首相秘書官であると書いている(『秘書官進言「常識」破る』8月30日)。

《外務省には、「(今井氏による)官邸からの指示は、相手国の言い分を聞き入れたようなものばかりだ」との不満もくすぶる。》

 今から読むと「安倍外交」の本質を考えさせられる。「プーチンやトランプとうまくやっているのは安倍さんだけ」と見るか「相手国の言い分を聞き入れたようなものばかり」と見るか。興味深い連載だった。