理由2:日本人が「シューター」に慣れた
「スプラトゥーン」シリーズは、ヒトの姿に変身するイカやタコを操作する対戦アクションシューティングゲームである。これは海外では「シューター」と呼ばれるジャンルで、いわば銃で撃ち合って戦うゲームなわけだ。
しかし、初代『スプラトゥーン』以前は、日本にあまりシューターが馴染んでいなかった。コアなゲーマーは遊ぶものの、普段あまりゲームに触れていない人は避けたがるジャンルで、任天堂はそのジャンルに果敢にも挑戦したわけだ。
初代『スプラトゥーン』のおかげでシューターに興味を持つ人が増え、その後は『フォートナイト』や『Apex Legends』などバトルロワイヤル系シューターが日本でも流行した。もはや、「日本人はシューターを遊ばない」と言われる時代は完全に終わったといえる。
そのような状況下で、日本国内において大きな存在感を持つ「スプラトゥーン」シリーズの最新作が登場したわけである。シューターの味を知った人たちがこのゲームに飛びつくのは当然であり、その様子を見て興味を持った人が新規参入するのも道理である。
理由3:実はキャラクター・世界設定も人気
「スプラトゥーン」シリーズはキャラクターものとしても人気がある。ぬいぐるみ、子供向けの弁当箱やバッグ、ゲームに登場する水鉄砲、バスボムや衣類なども販売されているし、セブン-イレブンでコラボ食品が販売されたり、過去作ではサンリオのキャラクターともコラボをしている。
そして「スプラトゥーン」の世界設定はかなり作り込まれており、おまけにユニークだ。イカたちはストリートファッションでカッコよくキメているし、明るい色のインクを撒き散らして街中を塗りつぶす。珍しくありつつも、ゲームのルールにぴったりとあった世界なのだ。
『スプラトゥーン3』では「バンカラ街」という場所が舞台になっており、九龍城砦を思わせるごちゃごちゃとした高い建物が並ぶカオスな街並みが特徴となっている。そこで開催される「フェス」では、山車が街中を練り歩き、和とラテンが融合したかのような音楽が流れていたりと、ほかのゲームにない唯一無二の魅力となっている。
実は前作『スプラトゥーン2』では、プレイヤーに「混沌」か「秩序」のどちらかを選ぶ権利が与えられていた。結果として混沌側が選ばれ、それが『スプラトゥーン3』に引き継がれて作風に影響を与えている。つまり、ユーザーもまた一緒になって「スプラトゥーン」の世界を作ったという感覚が存在するのである。