学校は誹謗中傷への対応に消極的だった
こうした誹謗中傷について、母親は学校側に相談した。ただ、気がついたのが夏休み前だったこともあり、学校側が誹謗中傷をした生徒宅に電話をかけるが、つながらないでいた。最終的に電話がつながったのは8月末。夏休み明けだった。しかも、学校側が注意をすると、「消しました」というだけで、謝罪も反省もなかったという。
学校側もLINEなどでの誹謗中傷への対応には消極的だった。
「校長先生に『指導してください』と伝えました。しかし、校長先生は『スマートフォンを買い与えたのは保護者。だから誹謗中傷は保護者の責任です。それに、そんなの終わった話じゃないですか?』と言われました。そのため、区教委に『こうした対応でいいのですか?』と連絡をしました。練馬区教育委員会は『校長の対応はよくなかった』と言っていましたし、区教委からの指導の結果だと思いますが、校長先生からも『SNSの件は指導する』と連絡が入りました。
ただ、実際に指導するのは学年の先生。担任と副担任は『この件に関して、指導するメリットがない』と言っていました。実際は面倒なことはしたくないのだろうと感じました。学校がもっと責任を感じてほしいです」(母親)
「自分と同じ思いの人を出したくない」
野島さんは事件後、不眠が続いたり、集中力が続かないことがあった。
「学校にいると、3時間目を超えると胃が痛くなることが多かったです。ぼーっとすることが多く、集中できず、授業内容はあまり覚えていませんでした。気がついたら、終わっていることがありました。ずっと一点を見つめている感じで、まったく記憶がないときもありました。しんどくて早退することもありました。そのため、勉強が遅れている部分があります。
部活動への支障もありました。練習に出られないことが続きました。試合のスタメンにはなれませんでした。試合の会場にも行くのがやっとでした。
早退や遅刻での配慮があるのはありがたいのですが、もうちょっと勉強のサポートをしてほしかったと思います。それと、学校や区教委に対しては、犯罪を隠そうとしないでほしいです。今では悪口はなくなっていますが、たまに悲観的に考えてしまいます。最終的には、自分と同じ思いの人を出したくないです」