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「先生は逃げたんだな、と思いました」逮捕された中学教師が命を絶った男子生徒への強制わいせつ事件。被害者が初めて思いを明かした

2023/01/21

学校は誹謗中傷への対応に消極的だった

 こうした誹謗中傷について、母親は学校側に相談した。ただ、気がついたのが夏休み前だったこともあり、学校側が誹謗中傷をした生徒宅に電話をかけるが、つながらないでいた。最終的に電話がつながったのは8月末。夏休み明けだった。しかも、学校側が注意をすると、「消しました」というだけで、謝罪も反省もなかったという。

LINEのステータスメッセージ。伏字部分には、野島さんの名前と野島さんが最初に被害を打ち明けた教師の名前が記されている

 学校側もLINEなどでの誹謗中傷への対応には消極的だった。

「校長先生に『指導してください』と伝えました。しかし、校長先生は『スマートフォンを買い与えたのは保護者。だから誹謗中傷は保護者の責任です。それに、そんなの終わった話じゃないですか?』と言われました。そのため、区教委に『こうした対応でいいのですか?』と連絡をしました。練馬区教育委員会は『校長の対応はよくなかった』と言っていましたし、区教委からの指導の結果だと思いますが、校長先生からも『SNSの件は指導する』と連絡が入りました。

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 ただ、実際に指導するのは学年の先生。担任と副担任は『この件に関して、指導するメリットがない』と言っていました。実際は面倒なことはしたくないのだろうと感じました。学校がもっと責任を感じてほしいです」(母親)

「自分と同じ思いの人を出したくない」

 野島さんは事件後、不眠が続いたり、集中力が続かないことがあった。

「学校にいると、3時間目を超えると胃が痛くなることが多かったです。ぼーっとすることが多く、集中できず、授業内容はあまり覚えていませんでした。気がついたら、終わっていることがありました。ずっと一点を見つめている感じで、まったく記憶がないときもありました。しんどくて早退することもありました。そのため、勉強が遅れている部分があります。

 部活動への支障もありました。練習に出られないことが続きました。試合のスタメンにはなれませんでした。試合の会場にも行くのがやっとでした。

 早退や遅刻での配慮があるのはありがたいのですが、もうちょっと勉強のサポートをしてほしかったと思います。それと、学校や区教委に対しては、犯罪を隠そうとしないでほしいです。今では悪口はなくなっていますが、たまに悲観的に考えてしまいます。最終的には、自分と同じ思いの人を出したくないです」

「先生は逃げたんだな、と思いました」逮捕された中学教師が命を絶った男子生徒への強制わいせつ事件。被害者が初めて思いを明かした

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