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――1位になった里見香奈さんに票がたくさん集まっていました。いくつかご紹介します。

 今年も女流棋戦では圧巻の強さでした。また、棋士編入試験は結果自体は残念でしたが、心を揺さぶられました。現在海外にいるのですが、現地の将棋大会でお話しさせていただいた海外の女性の将棋指しの方も里見先生の御活躍に勇気づけられたとおっしゃっており、日本のみならず世界中の女性将棋ファンの憧れなのだなと思いました。

(20代・女性)

 女流棋戦での活躍、棋士公式戦での好成績、そのうえでのプロ編入試験挑戦。特にプロ編入試験への挑戦は、ご本人も周囲も「受けなくてよいのでは」と考えるほどの条件・状況の悪さであったにもかかわらず、すべてのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる決断だった。結果は残念だったが、その挑戦は女流棋界/将棋界への刺激であり、問いかけでもあり、また将棋を愛する女性すべてにとって夢の前進だった。彼女の栄冠はすでに数え切れないほどのものだが、この挑戦と挫折をもって、さらに輝きを増したのだと思う。

(50代・女性)

運命が変わってしまった2局目のミス

――やはりプロ編入試験に挑戦されたことへの反響が大きいですね。

深浦 そうですね。報道も多かったですし「女性棋士」を待ち望んでいる人が多いんだと思いました。結果は残念でしたが、その資格を得るまでの成績も池永天志五段や澤田真吾七段など、本当に強い人に勝ってのことで抜群でしたね。ただ、忙しかったですよね。1カ月ごとの対局でしたが、タイトル戦を戦うなかで里見さんの100%のパフォーマンスではなかったですね。

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プロ編入試験に挑戦した里見香奈女流五冠

――遠山先生はいかがですか。

遠山 素晴らしいチャレンジで受かって欲しいなという気持ちで見ていました。2局目に優勢だった局面で大きなミスをしてしまって、そこで運命が変わってしまった気がします。あと1カ月に一度の対局というのが曲者だったかもしれません。あれはやる側からしたらしんどい可能性がありますね。

――もっと詰まっていたほうが?

遠山 そうですね。その方が、楽だと思います。昨年度は、小山怜央さんもプロ編入試験を受験されましたが、2連勝した後に一度負けた後の1カ月がものすごく辛かったとおっしゃっていたので。

新しい道に進む決断を応援したい

――負けた気持ちのまま過ごすのが辛そうですよね。では次に得票2位だった甲斐智美さんへのコメントをご紹介します。

 元々素晴らしい実績をお持ちの方ですが、現在進行形で、特に素晴らしい1年だったと思います。とてもかっこよくて、もっと見ていたい!と思っていた矢先の引退発表。

 大変残念ですが、残りもしっかりと応援します!

(50代・女性)