1ページ目から読む
2/2ページ目

「一番上の子は今年の最初はファームで開幕したというのも理解できる年になった」

 もう一つ原動力になっているのが家族の存在だ。13年に結婚した妻との間に3人の娘を授かった。長女は9歳、次女は6歳、三女は4歳になった。

「それぞれが野球をしっかり理解する年にもなってきている。野球のルールとか。ただ、『お父さんが野球をやっている』というのではなく、そういう細々したことも理解している。打った、負けたということもわかりますし、一番上の子は今年の最初はファームで開幕したというのも理解できる年になった」。そう語る表情には、父親として子どもの成長に喜びと感慨深さのような気持ちがあるように映った。

 ロッテに在籍していた19年4月に三女が生まれた。当時はロッテ担当だった記者には「0歳の娘が色々とわかるまでは選手でやり続けていたい」と胸の内を話してくれていた。当時語ってくれたことを再び聞くと、大地は家族に対する今の思いをこう教えてくれた。

ADVERTISEMENT

「子どもが(自分の職業を)ちゃんと理解できる年まで頑張ろうと昔から思っていましたけど、ああ、こういうことなんだなって。打てないことも、勝てないことも理解する年になった。それが励みになっています。結果を残すことだけが頑張る(理由の)全てじゃないですけど、結果を一緒に喜んでくれたり、打てなかったことを理解できるまでになった。ここ(チャンス)で頑張るところを見せられればとか、すごくありますね」

「次の目標は2000試合になるのかな?」と最後に問うた。

「どうなんですかね? 1000試合を達成した時の目標も何千試合までとか思っていなかったので。野球をやっている環境は年々変わってきている。そのなかでも自分(のパフォーマンス)を出し続けたいと思っている。その積み重ね。積み重ねるしかないので、積み重ねようとも思っていない。ただ、一試合、一試合、一日、一日を大切にしたいと思っている。その先に現役が終わった時に(数字を)振り返られるように、しっかり頑張っていきたい」

 10年前の経験と家族。2つの「財産」に力をもらいながら、背番号7はこれからもグラウンドに立ち続けていく。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2023」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/63887 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。