70歳のおにいさんって「なにかマズいですか?」

──「70歳のおさむおにいさん」にしか出せないものがある、と。

坂田 そう。図々しく言わせてもらうとね、見てくださる方々に「坂田おさむってこうなんだ」って、認めさせちゃおうと思ってます(笑)。「私のような《うたのおにいさん》がいても、いいんじゃないですか?」と。

©榎本麻美/文藝春秋

──「おさむおにいさんですけど、なにか?」みたいな。

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坂田 そうそう。「え、70歳で《うたのおにいさん》って、マズいですか? いいんじゃないですか? これが、おさむおにいさんですから」とね。……こんなこと言うと、反発食らうかな(笑)。

「お母さんてやっぱり、すごい」

──坂田さんは《うたのおにいさん》になってから約40年、子ども番組や親子向けコンサートに出演し続けていますね。

 長年「お母さんと子ども」と関わってきた坂田さんから見て、今の母子関係はどう変わったと思いますか。

坂田 そうだなぁ……僕は今までたくさんの親子を見てきたけれど、お母さんと子どもの関係自体は、ほとんど変わってないように思います。

 ただ、今のお母さんたちは、昔のお母さんよりも大変なことがたくさんあるんだろうな、と。

©榎本麻美/文藝春秋

──たとえば、経済的な事情など?

坂田 そうですね。今は共働きのお母さんや、シングルマザーも多いし。あと、いつも時間に追われている感じは強くなりましたよね。

──タイパやコスパという言葉も定着しましたね。

坂田 今の時代は何かと忙しいでしょう。だから僕としては、そういう大変なお母さんたちを応援する歌をつくらにゃいかんな、と思ってます。

 あとね、僕はやっぱり、お母さんってすごいと思うのよ。