日本で第二の都市は、という話になると、だいたい手を挙げるのが大阪である。確かに、大阪は日本三大都市の一角を占める押しも押されもせぬ日本を代表する大都市だ。そこに疑う余地はない。
だがしかし。こと人口という点に限って言うならば、大阪は第二の都市ではない。大阪市の人口は約280万人。ところが、本当の“第二の都市”横浜はというと、実に約380万人もの人が暮らしているのだ。東京から近いということもあって、“首都圏”としてひとくくりにされてしまいがちだが、人口面だけで言うならば、横浜こそが圧倒的な日本第二の都市なのである。
380万人もの人が住んでいるのだから、横浜という都市にはいくつもの中心的な町がある。横浜駅という巨大ターミナルを中心とする一帯だけでなく、いわゆる“副都心”が周りを取り囲んで成り立っているのだ。たとえば、鶴見や戸塚もそうした副都心のひとつ。そして、そうしたいくつかの副都心の中に、上大岡もある。
京急線“ナゾの停車駅”「上大岡」には何がある?
しかし、上大岡と言われても、申し訳ないけれど地元の人でもない限り、ピンとこないのではないかと思う。箱根駅伝でその名を聞くこともある鶴見や戸塚ならともかく、京急線と横浜市営地下鉄が乗り入れるだけの上大岡はどうだろう。
京急線と地下鉄のユーザーにとってはとてつもなく馴染みのある町なのだろうが、逆にそれ以外の人たちにはまったく縁遠いといっていい。大げさな言い方をすれば、知られざる副都心・上大岡といったところだろうか。
そんな上大岡駅には、横浜駅から京急線で10分ほど。快特や特急にでも乗れば、横浜~上大岡間はノンストップだ。もちろん上大岡駅にはすべての電車が停まるので、乗る列車を選ぶ手間もない。そして、電車はその間、大岡川に沿って走っている。
京急線も乗り入れる横浜駅は、横浜市どころか神奈川県内における最大のターミナルだ。横浜駅からはJR東海道線・根岸線、相鉄線なども分かれていて、横浜市内各所に向かう。東海道線は柏尾川、相鉄線は帷子川、根岸線は海沿いを走る。そして、京急線は大岡川沿いを走っている、というわけだ。