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ホークスの応援には、なぜ「福岡」という言葉がないのだろうか

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/07/07

「数」で勝っていても、「圧」で押されている

 カープ戦はともかく、日本シリーズのベイスターズやビジター動員力の高いマリーンズをもってしても、ヤフオクドームではホークスファンが常に圧倒的に多い。ホークスの観客動員数は、福岡ドームが開業した‘93年以来昨シーズンまで25年連続でパ・リーグ1位を記録している。今年も6月13日のジャイアンツ戦で主催29試合目にしてパ・リーグ最速記録を塗り替える100万人突破を果たしており、「V26」も間違いないところだ。

 だけど、ホークスは「数」で勝っていても、「圧」で押されている。そう感じることが正直ある。

 もちろんホークスのファンから「精一杯声を出して応援している」との声はよく聞くし、以前もこのようなことに言及してお叱りを受けたことはあった。

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 ただ、現実として、地元愛の強い九州もしくは福岡という土地柄を生かした応援を取り入れることで、もっと魅力的なヤフオクドームを作り出すことが出来るのではないかと考えてしまうのである。僕は物書きをしているが、作詞は専門外。そこは「餅は餅屋」で応援団の皆さんにぜひご検討を願いたい。

 また、ホークス球団に対してもひと言。

 ソフトバンクホークスのユニフォームには「福岡」や「九州」といった表記が見られない。以前からのファンは「ダイエー時代がカッコ良かった」としばしば嘆く。「FDH」のマーク。「F」の1文字がチームロゴとして使用されていることに誇りを感じていた。

 今年、球団創設80周年のメモリアルイヤーを戦うホークス。鷹の祭典が東京ドームで初めて2試合行われるのはその一環だし、7月24日には5年連続で京セラドームでも開催される。さらに全国47都道府県の映画館にてホークス戦が生中継される球界初のイベント(7月16日、ライオンズ戦)も実施されるなど、ホークスは全国区の球団へどんどん進化を続けている。球団人気が高まることは以前から応援するファンにとって大きな誇りである。しかし、地域密着という原点もまた同時にもっともっと大切にしてほしい。

 来シーズンは福岡移転30年を記念した様々な事業やイベントを展開する予定になっている。

「変わる」きっかけとして、十分な材料ではなかろうか。

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