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「すさまじい利益相反」なぜ改正水道法が成立したか、関係者発言から考える

暴動、コレラ蔓延、再公営化……他国で相次ぐトラブル

2018/12/08

根本匠 厚生労働相 
「大事なのはその事案に共通する問題点、課題。本質の問題は何か。それを踏まえて私は制度を作っている」 
朝日新聞デジタル 12月4日 

 調査が3例しか行われていなかったことについて、立憲民主党の石橋通宏氏は「世界でも(水道)再公営化の事例が続出しているが、厚労省は今回の法案提出にあたって、この再公営化の事例を全く研究も調査も分析もしていない」と批判(日刊ゲンダイDIGITAL 12月5日)。根本厚労相は「本質の問題」を重視し、調査の数の多さは問題ではないという認識を示した。石橋氏は「3例でよくそんなに言えますね」と反論している。 

根本匠 厚生労働相 
「民間事業者に運営権を売却したあとも、自治体や国が事業に関与し、丁寧にフォローしていく」 
NHK NEWS WEB 12月4日 

 こちらは4日の参議院厚生労働委員会での根本厚労相の発言。不安視されている部分があっても国が「丁寧にフォローしていく」ので安心してもらいたい、という意味だろう。 

©:iStock.com

 改正水道法では、国などが事業計画を審査する許可制として、自治体の監視体制や料金設定も国がチェックする仕組みにするという。しかし、立憲民主党の川田龍平氏は「政府は、厚生労働省が事前に審査すれば大丈夫の一点張りで、水質維持と安定供給という本来の公共性をどう担保させるかという対策はまったくない」と指摘(朝日新聞デジタル 12月5日)。とにかく法律を決めて、具体的な対策を後回しにするのは入管法改正と同じやり方だ。 

根本厚労省の気になる口癖「丁寧に」

 ところで「丁寧」といえば安倍晋三首相の「丁寧な上にも丁寧な説明」が思い出されるが、根本氏も「丁寧」という言葉が好きなようで、「妊婦加算」については「通常よりも丁寧な診察が必要」(朝日新聞デジタル 11月14日)、ベビーシッターについて適切な保育ができているか判断する基準の創設を検討する際は「自治体の意見を聞きながら丁寧に検討していく」(日本経済新聞電子版 11月16日)、後期高齢者の自己負担引き上げについては「丁寧に検討を行う必要がある」(CBnews 10月12日)、エボラ出血熱の検査強化のための原因ウイルス輸入については「丁寧に根気よく説明」(産経ニュース 11月16日)、自民党の憲法改正推進本部事務総長を務めていた頃には「計18年間も丁寧な議論が行われ」てきたと述べていた(産経ニュース 5月2日)。丁寧にやらなければいけないことが多くて大変だ。