検察激震「官邸介入人事」の全貌

村山 治 ジャーナリスト
ニュース 社会 政治

プリンスの事務次官就任は3度覆された

西川克行検事総長 ©時事通信社

「困ったことになった。検事総長は林の方が座りがいいと思っていたが、これでわからなくなった」

 昨年12月26日午後、霞が関の官庁街からも遠くない高層ビルにある弁護士事務所で、元検察首脳は背中を丸め、深いため息をついた。

 政府はこの日の閣議で、法務省刑事局長の林真琴(司法修習35期)を名古屋高検検事長に充てる人事(1月9日付)を決め、公表したばかりだった。

 この元首脳は、法務・検察の中枢を歩み、退官後も重要人事については相談や報告を受けてきたが、林の今回の人事は、事前に聞いていたものと異なっていた。

 構想では、林と同期の法務事務次官・黒川弘務が地方の検事長に転出し、林が後任の事務次官におさまることになっていた。

 法務事務次官は、法務大臣を補佐する事務方トップだ。他の省庁ならば最高位だが、法務・検察の序列では、天皇の認証官である検事総長、東京、大阪など全国8つの高検の検事長、最高検のナンバー2で検事総長を補佐する次長検事に次ぐポストだ。最近の検事総長の経歴を見ると、大阪地検で起きた不祥事(特捜検事による証拠改ざん事件など)への対応のために急遽登板した笠間治雄(26期)を除く、8人中7人が事務次官から東京高検検事長を経て就任している。法務事務次官は、いわば、検事総長への登竜門である。

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source : 文藝春秋 2018年04月号

genre : ニュース 社会 政治