5月の発売以来、世界的に人気を博しているのが、Googleのスマートフォン「Pixel 3a」です。これまでの「Pixel 3」に比べプロセッサの処理能力はやや落ちるとはいえ、Pixel 3で評価が高かったAI搭載のカメラをほぼそのまま搭載しつつ、およそ半額となる実売4万円台で購入可能とあっては、人気が出ないはずがありません。

「Pixel 3a」の性能をカメラ機能で比較してみる

 さて、この「Pixel 3a」、広角側の撮影機能が省かれていることを除けば、機能はほぼ同じとされていますが、実際の絵作りには違いはないのでしょうか。またスマホユーザとしては、iPhoneの新旧モデルと比較した場合のカメラ性能とどのくらい違うのかも、興味のあるところでしょう。

左がPixel 3a、右がPixel 3。従来よりもわずかに大柄です

 そこで今回は、従来の「Pixel 3」を約半年使ってきた筆者が、Pixel 3のカメラ性能が最大限に活きると感じたシチュエーションで、Pixel 3aと写真を撮り比べてみました。またPixel 3/3aに加えて、iPhone XS MaxおよびiPhone SEについても、同じシチュエーションで撮影しました。

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 撮影にあたっては、夜景についてのみ、Pixel 3/3aで「夜景モード」を使用していますが、それ以外はすべてオートでの撮影で、色調も無加工のままです。サイズの関係でトリミングを行う場合は、特定の機種だけ極端なズームアップにならないよう近い倍率で切り出しています。さて、どのような違いが出るでしょうか。

(1)なんといっても「夜景モード」がスゴイ!

 Pixel 3/3aのAIカメラの例として、よく取り上げられるのが「夜景」です。Pixel 3/3aには独自の「夜景モード」が搭載されており、光源が少ない環境であっても、まるで日中と見紛うばかりの明るい写真を撮ることができます。この写真では、手前の木々の鮮やかさや、右側の歩道のベンチの明るさが目を引きますが、iPhoneではほぼつぶれてしまっている、中央奥の木々のディティールがきちんと表現できていることにも注目です。

夜景の撮影においては、Pixel 3/3aの「夜景モード」の効果は一目瞭然。光が当たっている木々や路面だけでなく、ベンチや背後の木々などもしっかり描写できています。木々についてもハイライトが飛ぶことがなく、緑の濃淡が表現できています
上記写真の中央部のアップ。Pixel 3/3aでは木々の奥行きや、空との境目もしっかりと判別できます。やや古い機種であるiPhone SEは感度不足のためか、最新機種であるiPhone XS Maxに比べ、全体を明るく見せようとする傾向があるようです