「控訴へと打つと誤報になるかもよ」
実際、これまでの「安倍対朝日」の因縁からネット上では《「官邸からガセ情報をつかまされた」との陰謀論も噴出した》(東スポ7月11日付)という。
しかし「週刊文春」の「安倍政権にハメられた? 朝日新聞大誤報のディープスロート」(7月25日号)を読むと、そこには「朝日社会部記者」が明かしたとして、
《社会部からは、「控訴へ」と打つことには反対の声がありました。法務省幹部からは「控訴へと打つと誤報になるかもよ」とも言われていた。それなのに政治部が“官邸主導”で突っ走ったのです》
とあった。まさに「関係者」のコメントである。
さらに別の「朝日関係者」は、
《最終的には安倍総理本人に確認するしかなかった。しかし、今の官邸担当には総理の携帯に電話してすぐ本音を確認できる記者がおらず、周辺の話で判断してしまった。ディープスロートなんていなかったのが真相で、余りにも稚拙な判断ミスです》
と文春に証言していた。これは説得力があった。
ああ、やはり「関係者」のコメントはたまらない!
そして気づくのだ。結局、信じるか信じないかは読み手である自分次第なのである。一般紙、スポーツ紙、タブロイド紙、そして週刊誌。すべてを楽しむ方法はそこに行きつく。組み合わせや工夫によっては単一の媒体では得られない読み方ができる。
そしてもう一つ。
こうなると新聞は「関係者」や「内部」にパイプを築き、正しい情報源をいかに保つかという課題があるようにも思える。先ほど私は「新聞の腕の見せ所だろう」とも書いた。
しかし、それが行き過ぎると単なるズブズブの関係になったり、力を持つ側の広報になってしまう。新聞の政治面・社会面とスポーツ新聞の芸能面は違う。そこはやはり別にしておきたい。
読む側も細心の注意と自覚を持ちながら、今後も「関係者」情報を楽しみに待つことにする。