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構図は「創業家 vs 経営陣 vs 村上ファンド」へ

 最初に、外部から招聘された新しい廣済堂の経営陣がMBO(経営陣による株買い取りと上場廃止)を発表し、TOB(株式公開買い付け)を開始した。

「経営陣は、廣済堂を上場廃止して長期的視野に立って事業立て直しを図ると声明を出しましたが、実態は、株の買い取り資金を出す外資系ファンドが東京博善を目当てに乗っ取りを仕掛けたと騒がれ、創業家や古参幹部などは経営陣のMBOに反対しました」(経済誌記者)

 経営陣が「1株610円で買う」と発表したことにより、400円前後で低迷していた廣済堂の株価は上昇に転じ、買い付け価格を超えて700円台まで上がった。

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 買い付け価格を超えるのは、誰かが市場で買い進めているということ。

 それが、村上ファンドを率いた村上世彰氏と関係の深い2社(以下「村上ファンド」)だったことがほどなく判明する。

村上世彰氏 ©AFLO

 村上ファンドは市場で株を買い進めた上で、3月になり、「1株610円の買い付け価格は低過ぎる」として1株750円でTOBを発表し、経営陣に対抗。両者による買収合戦が繰り広げられ、株価はさらに上昇し、両者ともTOBを成立させることができず買収は失敗に終わった。

 その後株価は下降したが、年末にかけて株価が再び上昇。一時は1000円を超えた。

 次は誰が買い進めているのかと思われていた矢先に、それが麻生グループだったことが判明したのだ。