マー: 中国政府は開き直っていますが、中国人はコロナが自分の国から出ていることはわかっていますしね。中国政府がまともな情報を出すわけがないですから、コロナが危ないことを早期から予想していた人が多かったのではないでしょうか。私自身、自分の子どもにはかなり初期から気をつけさせていましたし。
──なるほど。別途取材したところでは、さすがにお客さんとの濃厚接触が多いスナックやマッサージ店は厳しそうな感じでしたが、飲食店はまだ「最悪」とまでは言えない。
マー: 飲食店について言うと、中国人のほうが(国内で『美団[Meituan]』などのフードデリバリーアプリが広く普及していることもあって)デリバリーの習慣が定着していることも大きいかもしれません。
『EASI』という在日中国人向けの、日本国内の中華料理店にオーダーできる宅配アプリまでありますからね。けっこう、すぐ来るんですよ。うちもいまに対応するかもなあ……。
「コロナが終わる日を待っている」
というわけで、意外としぶとくコロナ流行への対応を見せている21世紀のチャイナタウン・西川口。日本国内で気軽に本場の味を楽しめる名店たちが、無事にアフターコロナの世界を迎えられることを祈りたい。
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西川口の中国人以外にも、北関東の在日外国人たちはコロナ流行をどうやり過ごしたか? 群馬県のベトナム人、ブラジル人、ロヒンギャ、ムスリムのコミュニティに密着。詳しくは『文藝春秋』7月号(6月10日発売)掲載のレポート「失業、逃亡、集団感染 困窮する外国人労働者」をお読み下さい。
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