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連載池上さんに聞いてみた。

東日本大震災から10年…池上さんがNHK時代に身に着けた「地震の心構え」

東日本大震災から10年…池上さんがNHK時代に身に着けた「地震の心構え」

池上さんに聞いてみた。

2021/03/01

genre : ニュース, 社会

note

Q 地震にあったとき、池上さんは何を真っ先に考えますか?

 3.11から10年がたとうとしていますが、先日2月13日夜にも「余震」とされる大きな地震が福島県沖でありました。当時もいまも、私はあまりに大きな揺れにとっさに頭が真っ白になってしまい、落ち着いてくると今度は急に「ガスの元栓閉めなきゃ」「机の下に頭を隠さなきゃ」「家族は大丈夫かな」と色々なことが浮かんで慌ててしまいます。池上さんは地震にあったとき、何を真っ先に考えますか?(30代・男性・会社員)

東日本大震災からもうすぐ10年 ©️iStock.com

A P波とS波の間隔を確認します。

 まずは最初の揺れであるP波と、次に来る揺れのS波の間隔を確認します。間隔が空けば、震源はかなり遠いことがわかります。それでも揺れが大きければ、「遠くで大きな地震が起きたんだな」と推測します。

 P波とS波の間隔が短ければ、「これは震源が近いぞ」と身構えます。

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 これは、若い頃にNHK社会部で気象庁を取材していたときに身に着けた心構えです。

 2月13日の地震では、テレビで緊急地震速報が出て、福島などで大きな揺れがある見込みと報じられましたから、「東日本大震災の余震かな」と判断。「これは津波が来るぞ」と心配しました。

 幸い震源が深かったので、津波は起きませんでしたが、地震の揺れがあったときに、まずはこういうことを考える習慣になっていれば、慌てないで済みますよ。

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