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なぜ豊島将之は藤井聡太に6連勝したのか?【流れゆく水のように 豊島将之竜王・叡王インタビュー 第1章】

「(6勝目となった)王将戦のあの将棋に関しては……王様が5九くらいにいたときは『もうダメだな』と思っていましたが、お互いに時間もなくなっていましたし。完全に諦めたわけではなく、しっかり考えていました。99%負け、という時もありましたが、自分も完全に負けるところまで読み切れていたわけではなかったので」

──以前のインタビューだと『豊島将棋は勝つにしろ負けるにしろ一方的になりやすい』とおっしゃっていました。しかし最近、たとえば竜王戦での羽生先生との将棋のように、終盤に逆転するような大熱戦が増えていると思います。あと永瀬先生との叡王戦のように、持将棋になったり。

「そうですね。長期戦になることは増えました」

「今の将棋は、序盤で差を付けづらいので。それで難しい将棋になりやすいです。評価値が拮抗するようにお互いが序盤を組み立てていることが多いので」

「そうすると……昔の将棋って、自分たちが上手く指せるか指せないかで選んでいたので。戦型を。中終盤とかもシンプルな形になりやすいんですけど、最近の将棋は、ねじり合って難しいので。そういうところもありますし……」

「自分の将棋というところでは、無冠のときは、無冠だったけど勝率もよくてレーティングも高かったという時期は、序盤戦で有利になることが多かったので。序盤の時に優位に立って、そのまま勝ちきることが多かったです。だけど熱戦になると、負けてしまうことも多くて」

「あとは、タイトルを獲れていないので力が入りすぎて、最後のほうで体力切れになったこともありました」

「今は、序盤では他の棋士と差を付けられなくなって。むしろこちらが少しでも気を抜くと、悪くなってしまうこともあるんですけど。でも、たくさん経験できたというか」

「序盤戦でリードできて、そういう勝ちパターンを持っていたときに、対局もたくさんしましたし、タイトル戦とかにたくさん出て、いろいろ経験してきましたし、その部分で中終盤とか落ち着いて指せるようになって。そういうところが今は活かせているのかなと」