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テクノロジーと使命感でつながるオンラインコミュニティ
ヤロスラフさんは今19歳。彼が送ってくれたウクライナのメディアの記事を読んでみると、12歳のときにはすでにアニメーションをつくり、最初に作ったゲームがなんと1000万回以上ダウンロードされているという、「ギーク」(主にコンピュータなどの技術に強いオタク)な少年でした。もちろん戦争が起きたことは不幸なことです。しかし、その只中においても、ヤロスラフさんのような才能ある若者や、これまで会ったことのなかったクリエイターたちと出会い、国際的なオンラインコミュニティが生まれていることに感謝しています。
自身の持つ技術を活かして、自分たちが直面している状況、そしてどのような思いを抱いているのかについて、発信している方はたくさんいらっしゃいます。ハンガリーのブダペストに描かれた反戦のグラフィティアートを3Dデータ化した方もいました。このデータもマップに掲載しています。
――技術面が注目されることで、「ウクライナ危機の現状を伝える」という趣旨から外れてしまう懸念はないのでしょうか。
渡邉 現地から情報を発信している人たちは、自分たちの技術を誇示したいわけではありません。身のまわりの状況を可能な限りリアルに伝えるために、技術を活用し、まさに命懸けで活動されています。その点を強調しておきたいです。
さらに、コンテンツの構成にも工夫を凝らしています。日々変化する戦況の進捗にあわせてさまざまなデータを多角的に見られるよう、スライドの順番を随時入れ替えたり、各都市のデータをまとめたり、常にアップデートしています。