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 体育館が会場の時には、警備員10人と職員2人を配置して対応し、さらには警察官も駆け付けてくれたため、なんとか場を収めることができましたが……。今は各接種会場に、警備員を配置しています。配置には費用もかかりますが、市民とトラブルが起きては困りますから仕方がありません。逮捕を受けて今は少しホッとしているというのが本音です」

幼少期から習っていた空手は黒帯

 こうした“陰謀論者集団”を率いていた倉岡容疑者とは、どのような人物だったのか。

 倉岡容疑者は「岡崎礼」名義で20代の頃、Vシネマに出演していた元俳優。父・岡崎二朗も俳優としてVシネマなどに出演してきた“2世”だ。主演作品にも恵まれたものの、28歳の時に映画企画会社の事務所でプロデューサーの男性に「仕事をくれ」という要望を無視され、登山用ナイフで足を複数回刺し殺人未遂容疑で逮捕された過去を持つ。

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逮捕された倉岡容疑者は俳優としても活躍していた 本人のFacebookより

 若き日の倉岡容疑者と空手道場にともに通った知人男性は、こう振り返る。

「礼くん(倉岡容疑者)と会った頃、彼は当時20代前半でしたが、礼儀正しい模範的な空手ボーイでした。Vシネマのプロデュースをしていた真樹日佐夫先生が運営する、西麻布の『真樹道場』に通っていたんです。父親譲りの端正な顔立ちでモテる風貌でしたが、口数は少ない方でしたね。幼少期から空手を習っていて、黒帯。空手の腕はかなりのモノでした。真面目な性格で、一途に練習に励んできたのでしょう。

父を追ってVシネの世界に入ったという倉岡容疑者 本人のFacebookより

「周りが見えなくなる、思い込みの強い一面があった」

 自分も若い頃にはヤンチャしていたので腕にはそれなりに自信があったのですが、組手では全く敵いませんでしたね。打ち合いになった時、視界の外から礼くんの上段回し蹴りが自分の顎にヒットして、思わず膝をついたのを覚えています。関節が柔らかく、彼の得意技でした。礼くんが焼き鳥屋で働いていた時、口論になった客に上段回し蹴りをくらわしたという話を聞いた時は、さすがに驚きましたが……。真面目で自分の“正義”に忠実なため、周りが見えなくなる、思い込みの強い一面があったのでしょう。