目玉焼きに何をかけて食べるか、という命題がある。塩コショウ、ソース、いやいやケチャップ。目玉焼きそのものがとてもシンプルなおいしさなので、何をかけてもよく合いそうだ。

 が、私見を言えばそんな中でもやっぱり主流派はお醤油ではなかろうか。いかにも洋風なモーニングメニューの目玉焼きを、すっかり和の食卓になじませてしまうお醤油の力はとてつもない。日本人は、お醤油がなければ生きていけないのである。

 そのお醤油、日本でいちばんの生産地は千葉県である。出荷量ベースで2位の兵庫県にダブルスコア。日本のお醤油の4割近くが千葉県で作られている。

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 これはメーカー別に見ても納得で、1位のキッコーマンと2位のヤマサ醤油、4位のヒゲタ醤油とものの見事に千葉県のメーカーがランクイン。キッコーマンは野田市、ヤマサ醤油とヒゲタ醤油は銚子市である。

 そういうわけで、トップオブお醤油の野田市はとりあえず後回しにして、銚子駅にやってきた。何しろ、醤油メーカーベスト5に2つもランクインするほどのお醤油の町なのだ。駅を降りれば、きっと醤油の香ばしい薫りが出迎えてくれるはず……。

総武本線“千葉の端っこの駅”「銚子」には何がある?

「銚子」には何がある?

 と、その前に銚子という町がどこにあるのかからはじめねばなるまい。銚子は千葉県の北東の端っこだ。チーバくんでいうと耳の先っちょに当たる。北は利根川を挟んで茨城県と接し、東に行けばもう太平洋。“地球の丸く見えるまち”などというPRもしているようで、大海原に向かって突き出した町が、銚子なのだ。

今回の路線図。JR総武本線と成田線が通じている「銚子」はまさしく千葉の“端っこ”にある

 その銚子に通じている鉄道は2路線。JR総武本線と成田線がある。成田線は佐倉駅で総武本線と分れて成田空港の近くを通って利根川沿いを走る路線で、総武本線は九十九里浜方面を通る。東京と銚子を結ぶ特急「しおさい」は総武本線側で所要時間は2時間弱。東京からだと1日の6本程度運転されている。

 

 いずれにしても、東京方面から見たときに、その先太平洋に落ちるばかりの関東地方どん突きの駅。それがお醤油のターミナル、銚子駅である。