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東京から2時間弱…総武本線“千葉の端っこの駅”「銚子」には何がある?

“千葉の端っこの駅”「銚子」#1

2022/07/18

genre : ニュース, 社会,

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 2時間かけてやっとこさやってきた銚子駅。ホームにはいきなり大きなお醤油の樽が飾られていて、「醤油の町」と歓迎する。

 実際、銚子駅の東にはヤマサ醤油、西にはヒゲタ醤油と、銚子駅を挟み込むように醤油工場がある。距離は少し離れているが、駅の脇にある跨線橋から背伸びをすれば、ヤマサ醤油の工場がちらりと見える。やっぱり銚子駅は醤油の町のターミナルなのだ。

 

改札口をぬけて見ると…

 そんな醤油まみれの気分で改札口を抜けて外に出る。すると……まさか、というかよくよく考えれば当たり前のことだが、銚子駅前の風景はお醤油とはほとんど無縁、どちらかというと南国リゾート風の雰囲気が漂っている。銚子はお醤油だけでなく、太平洋を望む港町。年間水揚げ量日本一を誇る、日本屈指の大漁港である。

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 そこでひとまず港に向かって歩くことにしよう。駅前からはズバッとまっすぐに伸びている大通りがある。4車線で歩道も広い立派な道路で、「シンボルロード」という。1989年から1993年にかけて整備された新しい道だ。といっても、駅前の目抜き通りだからそれ以前にも同じ役割の道はあったのだろう。道沿いには土産物店や飲食店などがポツポツと建ち並んでいる。

 

 このシンボルロードをまっすぐ進むと、10分も経たないうちに水辺に出る。この水辺が太平洋……であれば美しいのだが、残念ながら利根川だ。

 利根川には銚子大橋という立派な橋が架かっていて、それを渡れば川の向こうは茨城県。その利根川のへりに設けられた公園を河口に向かって少し歩くと、たくさんの漁船が集まっている船だまりが見えてきた。銚子港は利根川の河口からわずかに内陸側に入ったところにある港なのだ。

 港のあたりから再び南へ、駅に向かって歩く。駅と港の間が古くからの銚子の市街地のようで、賑やかな商店街とはほど遠いものの、ところどころに昔ながらの飲食店や商店がある。港と駅方面を結んでいる道路が本通りという名であることからも、その役割が大きいものであったであろうことが窺える。