積み込まれる車の種類は様々だが、トヨタの「ランドクルーザー」やスバルの「フォレスター」など、SUVタイプが目立つ。クレーンで吊られるのは、日産の「ノート」やホンダの「フリード」など小型の車が多い。パッと見る限り、ほとんどが日本車である。
伏木富山港はロシアの木材(北洋材)を集中的に受け入れ、全国に展開する中継基地でもある。
ところが今年3月10日、ロシア政府が日本を含む非友好国に対して、木材や粗木材、合板用単板などの輸出停止を発表。その影響で木材の輸入量は減少。その代わりに、中古車輸出の最前線となっている。港にある木材協同組合が管理していると示された敷地には、木材の代わりに無数の中古車が停められていた。
なぜ日本車は中古でも人気があるのか
日本とロシアの中古車貿易に詳しいジャーナリストの山田稔氏が解説する。
「1980年代に輸入品の木材を運んできたロシア人船員が、手土産として日本の中古車を持ち帰ったのが日本とロシアの中古車貿易の始まりとされています。当時は5万円以下の領収書があれば簡易通関が可能だったこともあり、すぐにブームになった。そして2008年には年間50万台を超える中古車が輸出されるに至りました。その後、リーマンショックやロシア国内の中古車関税の引き上げにともない下火になっていましたが、2017年以降から徐々に数を戻し始めました。日本車はロシア製の自動車に比べ、性能、耐久性、走行性どれをとっても質が上回るので中古でも人気があるのです」
ではなぜ、直近数カ月でロシア向け中古車の輸出台数が爆発的に増加したのか。
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、数カ月でロシア向け中古車の輸出台数が爆増している理由、1000万円以上の高値で取引されているという大人気車種など、事業関係者の証言も交えて、その驚くべき実態を詳報している。
撮影 吉田暁史
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