文春オンライン

“132キロの石”を素手で持ち上げる青年が語った「日本人が弱体化した理由」

令和の怪力男・そばつぶとは何者か #2

note

そばつぶ どんなスポーツにも言えることですが、無理はしないようにしましょう。ケガを避けるためには、自分の実力に合った石を扱うことが大切です。石を持ち上げている最中に「これは無理だ」と感じたら、すぐ石を離して、足元を守るために後ろに飛んで逃げること。

 あと事故防止で一番大事なのは、足場の確認です。足場のバランスが悪いと事故のリスクが上がるので、必ず平らな場所に移動してから挑戦してください。万一のことを考えると、爪先を保護する安全靴を履くのがいいですね。

――そばつぶさんの動画を見ると、いつも素手で石を担いでいますよね。軍手をはめないのは、「したほうが安全だけど、昔の人はしていなかった」とこだわっている部分ですか?

ADVERTISEMENT

そばつぶ そこは機能的な理由のほうが大きいですね。うっかり手が滑らないようにと思い初めての時はグリップ付きの手袋をしましたが、一回で邪魔だと分かったので使わなくなりました。

 手を繋いだり離したりする動作の妨げになりやりにくいんですよ。だからといって滑り止めのチョークも使いませんね。冬場に手がカサカサと滑りやすい質感になる時にハンドクリームはさすがに使う事があります(笑)。

日本人はもっと強くなれる

――ものすごく素朴な疑問ですが、石を持ち上げるのは怖くないですか……?

そばつぶ まぁ怖いと思っていたら、最初から石を持ち上げていません(笑)。それに、ちゃんと自分の実力と石の重さを見極めて、「ダメそうだったらすぐ逃げる」を徹底していますからね。はるばる行った先だとしても、自分の実力では無理だと思ったら諦める。だから意外と大丈夫です。 

力石で鍛え上げられたたくましい両腕 ©文春オンライン

――本日はいろいろなお話、ありがとうございました。力石に挑戦する人が増えることを祈っています。

そばつぶ 力石は江戸時代に流行しましたが、娯楽が多様化したことや、機械化が進んで力持ちの価値が下がっていったことで廃れたと言われています。しかし利便性が高まった一方で現代人は体力面ではかなり弱体化しました。

 力石の様に「古き良き物から学べること」は多くあります。持ちにくく重心の不安定な物を持ち上げる事で得られる体の強さ。先人の過酷な日常を物語り、かつての強者と時代を超えた力比べが出来るロマンなどなど、魅力を上げればキリがありません。このインタビュー見ている皆さんもあらゆる面で素晴らしい力石で鍛えてみませんか?

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

“132キロの石”を素手で持ち上げる青年が語った「日本人が弱体化した理由」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー