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“132キロの石”を素手で持ち上げる青年が語った「日本人が弱体化した理由」

令和の怪力男・そばつぶとは何者か #2

note

そばつぶ ボールのように丸っこい形が好きですね。見た目も良いですし、細長い形より難易度が上がるのがおもしろいです。

 苦手というか難しさを感じるのは、厚みのある石です。抱えた時に胸元を強くギュッと圧迫されるので動作がしづらく挙げにくくなります。ただ、中には胴体が薄くても違う要素で難しい石もありますから見た目では一概に判断できないのも面白い所ですね。

――これまで担いだ中で、一番重かった石は何キロですか?

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そばつぶ 石川県金沢市にある上野八幡神社の力石で、132キロでした。130キロ代は手の届かない領域だと思っていたので、担げたときはうれしかったと同時にびっくりしました。

――ほかに印象深かった石はありますか?

そばつぶ 力石は楕円形のものが多く、私の住む石川県にはボール状の石というのは珍しいんですが、白山市の桑島神社に丸い力石が5つも揃っていたのは印象的でした。やっぱり丸いと難易度が段違いですね。当時すでに120キロの長石を担いでいましたが、90キロの丸い石は失敗しました。

――やはり石の形がポイントなんですね。いつか担ぎたい石を教えてください。

そばつぶ 「そばつぶ」という名前は、実は力石が由来です。単語から滲み出る愛嬌や親しみやすさが気に入りました。そばつぶと名づけられた力石は石川県に4つ存在していて、そのうちふたつは担ぐのに成功しました。

 残りふたつは146.9キロと133キロで、とても難しい挑戦になりますが、自分のハンドルネームの由来の石なのでいつか担いでみせたいですね。

――石の重さはどのように測っているんですか?

そばつぶ 「この石の重さは●キロです」と看板に書いてあったり、石自体に重さが刻まれている場合もありますが、力石の世界には「切付(きりつけ)八掛け」という言葉があって、100キロの石だと言うなら実際はその8割の80キロ程度の重さだと考えたほうがいいんです。

 もちろん例外もありますが表記通りの事は少なく本当の重量を知りたいので、300キロまで測れる計測器をネットで買って、自分で測っています。

軍手をはめず、素手で石に挑む意外な理由

――そばつぶさんをきっかけに力石に興味を持つ人もいるかと思います。これから力石に挑戦する人にアドバイスはありますか?