元バレーボール選手の大山加奈さん(40)。現役引退後は、指導者やメディアでの活動を続け、今は双子の育児に励む母でもある。5歳上の夫との出会い、女性アスリートゆえの悩み、現役時代に抱いていた葛藤について、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

大山加奈さん ©末永裕樹/文藝春秋

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双子の育児にてんてこ舞い

――大山さんと言えば、アテネ五輪が開催された2004年頃を中心に、栗原恵さんとともに“メグカナ”コンビとして女子バレー人気をけん引してきた存在です。今はどのような活動をしていますか?

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大山加奈さん(以下、大山) 2010年に26歳で引退してからは、全国の子どもたちやママさんを対象にしたバレー教室の指導、スポーツイベントの参加やメディアでのバレー解説、あるいは講演など、ありがたいことにずっと忙しくさせていただいていました。

 最近はPDM(プレーヤー・ディベロップメント・マネージャー)の資格を得て、アスリートのメンタルヘルスなどの支援も始めました。現在は女子バレーボールチーム「ヴィアティン三重」のPDMとして活動しています。

――プライベートでは2015年に結婚され、出産もされました。育児はいかがですか?

大山 2021年に双子の娘を授かってからは、育児が中心になっていますね。双子の育児は本当に大変。もうすぐ4歳になりますけど、てんてこ舞い過ぎて、3歳ぐらいまでの記憶がないんですよね。今は幼稚園に通っていますので、徐々に遠方の仕事も受けられるようになりました。

5歳上の夫との出会いは…

――パートナーとはどこで出会われたのですか?

大山 母校の東京・下北沢成徳高校です。現役引退後、母校に練習の手伝いに行ったところ、彼はそこでトレーナーをしていました。大学まで野球をやっていて、卒業後に勉強してメディカルトレーナーの道に進んだみたいです。年齢は私の5つ上ですね。

――お相手のどういうところに惹かれたのでしょうか。

大山 彼は出会った当初から相手を特別扱いしないところがあるんです。同じ業界にいますし、きっと「大山加奈だ」くらいには思ったはずですけど、そんな素振りは微塵も見せなかった。

 仕事への姿勢が尊敬できる人だったというのも大きかったですね。私は現役時代、ずっとケガに悩まされていたので、病院やリハビリ施設のトレーナーさんたちに本当にお世話になっていて、彼らの仕事の大変さや、患者さんに対する熱い思いを肌で知っていたのもあって。