187cm、高身長がコンプレックスだったことも
――女子バレー選手は高身長に悩む時期がある、という話も聞いたことがありますが、大山さんの場合はどうでしたか?
大山 すごくよくわかります。私は身長が187cmあるので、もちろんバレーにおいては大きな武器ですが、コートを一歩出ると、高身長がコンプレックスな時期もありました。背中を丸めて、猫背で歩くクセがついていましたね。ヒールはとても履けなくて……。10~20代の頃はよく選手同士で「付き合うなら、絶対自分より背が高い人がいい!」「そうそういないよ」なんて話していましたね(笑)。
――実際、パートナーの方は?
大山 彼は173cmなので、私より15cm低いですね。私も結婚前は、願わくは私よりちょっとでも背が高い人と……とか思っていたけど、関係なかったですね。
――大山さんは元アスリートの立場で彼にアドバイスすることはあるんですか。
大山 家ではあまり仕事のことは話さないのでアドバイスすることはないですけど、私も彼の仕事は理解しているつもりです。私と同じように、彼も仕事と家庭の両立に悩むことがあると思いますが、私はどちらも諦めて欲しくないなって。
他人に必要と求められるのは人としてとても幸せなことだし、それに選手やスポーツ界に役立つものであれば、是非、行動して欲しい。時には私のほうに育児の負荷がかかってしまうことがあっても、それより彼にはやりたい仕事を全うして欲しいんですよね。私もそうでありたいし、お互いがバランスをとりながらやっていけたらと思っています。
――お互いが支え合っていく関係。
大山 ただ、2人ともスポーツ界の人間じゃなかったら、これほど柔軟な発想ができたかどうか……。お互い口下手だし、わたしは怒ると黙ってしまうタイプなので、すれ違いが起きてしまっていたかもしれません。スポーツ界のために役に立ちたい、というのが2人の共通認識としてありますし、相手の仕事のことを理解しやすいのは、パートナーとして安心できますね。
現役時代に抱いた後悔
――大山さんはスポーツ界だけでなく社会課題についても積極的に発信している姿が印象的です。現役の頃もそういうモチベーションがあったのですか?
大山 もともと長女気質なところはあると思いますが、選手時代の私を知っている人からは驚かれます(笑)。でも、積極的に発信しているのは、自分の現役時代の後悔があるから。今の選手たちに私と同じ道を辿って欲しくないんです。