「胸が小さいことを気にしているなら…」日本はコンプレックスを隠す前提のファッションが多い

――容姿や見た目に関連して、服装について価値観のギャップを感じることはありますか?

Yuna 私は体のラインが出る服が好きなのですが、日本は全体的にゆったりとした服が多いですよね。

 好きなデザインの服を見つけても、試着しようと思って店員さんに声をかけたら「その服、意外と体型をきれいにカバーしてくれるからおすすめです!」と言われることが多くて。

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「脚が太いことが気になるなら、脚のラインが分かりづらい服を着る」「胸が小さいことを気にしているなら、胸のラインが分かりづらい服を着る」といった、“コンプレックスだと感じている部分は隠さなければいけない”前提の服が多い気がしています。

 

――アメリカでは、体型に関係なく自分の好きな服を着る人が多い印象がありますが、実際はどうなのでしょうか?

Yuna アメリカ人も、日本人と同じように体型にコンプレックスを持っている人はたくさんいます。「スリムな体型が理想」と思っている人も少なくない。

 ただ日本と違うのは、そういう価値観と、実際に着る服は関係ないんです。「私の脚、いけてないなぁ」とコンプレックスを持っていても、ショートパンツやミニスカートを穿く。アメリカ人は、日本のように「コンプレックスは隠さなければいけない」と考えている人が少ないように思いますね。

日本は選択の基準を「他人」に置き、アメリカや中国では「自分」に置く

――中国はどうですか?

Yuna 中国にも周りの目を気にして着る服を選ぶ人はいますが、日本よりは自由な印象です。年齢や体型に関係なく、ミニスカートが好きな人はミニスカートを穿いています。

 

――どの国でも体型にコンプレックスを抱えている人がいるのに、服を選ぶ基準は変わるのですね。

Yuna 日本は選択の基準を「他人」に置いていて、アメリカや中国では「自分」に置いているからかな、と思います。

 容姿や服装だけじゃなく、コミュニケーションでもそうですよね。日本人は「今日は天気が良いですね」といった、当たり障りのない話をする人が多いなって。

 相手を知ろう、自分を表現しようというよりも、いかに周囲に溶け込めるかを重視する傾向が、日本は強いなと感じます。