「高校は、親が大変だから都立か国立へ行きたいと思っています」

「中学校までの彼は明るくて、クラスの人気者でした。大体『たかちゃん』『たかみち』なんてみんなに呼ばれててね。小学校の頃は地域のリトルリーグに入っていて、中学でも野球部に入ってた」

 小学校時代の卒業文集、作文のタイトルは「僕の将来」だ。神岡さんはこんな夢を綴っていた。

〈ぼくは、中学高校と行き、まともな所へ就職をしたいです。(中略)中学へ行ったら、一日二時間の勉強をして体育もこれからがんばって行きたいと思っています。高校は、親が大変だから都立か国立へ行きたいと思っています〉

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小学校の卒業文集より

 幸せな家庭への憧れも。

〈あるていどの給料がとれるようになったら結婚したいです。結婚したらギャンブルだけは、やらないようにしたいです。そして子供を二人ぐらい作って、その子供をすごくいい子に育てたいです。マイホームも建てたいです〉

〈でもぼくの本当の夢は、自分で会社を作ることです。そして(中略)身分制度、太平洋戦争などないような世の中にしたいです〉

小学校の卒業文集より

 前出の同級生が続ける。

「孝充は、小さい頃に交通事故にあって、身長が伸びるのが止まってしまったそうです。そういう身体的ハンデがあったからかな。彼は明るくて、でも人一倍勉強も頑張る努力家でした。高校では将来のことを本気で考えて、都内の私立大学に進学したんです。当時、ウチの高校で大学に行くのは10~20%位でかなり少なかったと思います」(同前)