――5回目の総裁選ですが、今だからこそ訴えたい点は?
石破 前回、私は河野さんを応援し、自分の派閥も解散したので、実は総裁選への挑戦は一区切りと思っていました。しかしその後、世界の環境が激変しました。ウクライナの戦争は終わらず、北東アジアも危うい。人口の減少はものすごい勢いで進み、異常気象や災害も続いています。私はずっと、防災省の創設、避難シェルターや安全保障基本法の整備を提唱してきましたので、それを今実現しないでどうするんだ、という思いから立つことにしました。
――政治と金の問題のケジメを付けるために、岸田文雄総理は不出馬を決めました。裏金事件の解明について、どのように考えますか。
石破 岸田さんは自民党のトップとして、ケジメを付けるとお辞めになった。やはりトップの決断として、重く、立派だったと思います。政治のための金が必要だとしても、金集めには節度を持たねばならない。1年に何十回もパーティを開き、利益率が80%超というのは、やはり国民の理解は得にくい。民主主義のための金なのだから、どこから入ったのか、何に使ったのか、可能な限り、国民に分かるようにしなければいけません。最終的な判断は、やはり有権者、主権者が行うべきものでしょう。
今回の不祥事議員は、党の処分とは別に、あれだけ名前が出て、選挙区でも批判され、相当に社会的な制裁を受けています。自民党の選挙対策委員会において、当選の可能性、実績、あるいは選挙区の評価などを全部議論して、最終的には有権者の方々にご判断いただける態勢を整えることだと思います。
――次の総選挙で、裏金議員を公認しないという選択は?
石破 それは総裁が独断で決めるべきことではないと思います。総裁が「公認すべきじゃない」と言って、選挙対策本部を従わせれば、党のガバナンスを失わせることになります。我々は独裁政党ではありません。もちろん総裁は選対本部の本部長ですが、そこには党内組織がそれぞれ、きちんとした仕事をするという積み重ねが必要です。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2024年10月号