鈴木代表は、地元市議とともに、市内全48の市立中学の校則を取り寄せた。「生活のきまり」「生活の心得」と記された各校の校則には、「スマホの持込禁止」や「制服の加工、髪染め、アクセサリーなどの禁止事項」などの項目だけではなく、なぜ決められているのか理解できないような校則が多く見つかったという。
禁止の理由は「体操着」にあった?
鈴木代表らが異論を唱えた校則の中でも、大きく議論を呼んでいるのが、「下着は白」と規定した学校が10校もあったことだ。
この校則は、実際にどのように運用されているのか。冒頭で紹介した、浜松市内の女子中学生が語る。
「暑い季節に派手な下着が透けて見えたりすると、女の先生から注意されますね。先生の呼び出しを受けて何度か注意されているのに守らないと、親に電話を掛けられてしまいます」
この「白下着」問題について、現地で取材を進めると、浜松市内の学生服販売店の店主が意外な理由を口にした。
「浜松市の多くの中学校では夏場、登校後に制服から白い体操服に着替えて過ごしているのです。そうすると、どうしてもブラが透けてしまう。思春期まっただ中の男子生徒が授業で集中できなかったり、ブラ紐を後ろから引っ張ってイタズラしたりする男子生徒が多いんです。その対策として、昔からスポーツブラや透けづらい色の下着を勧めています」
実際、浜松市では市内全48校が制服で登校するが、そのうち46校が登校後「校内服」(ジャージ、体操服)に着替える規定がある。
学校の教師側は、この問題をどのように捉えているのか。市内の中学校に30年以上勤務する現役の男性教師が打ち明ける。
「いま勤務している学校も『下着は白』と校則で決まっています。なぜダメかといえば、下着にしても靴下にしても、個性をだすと、そこで優劣がでたり、先輩に目をつけられたりして『調子にのってる』といじめになったりするから。だからこそ極力同じものにする必要がある。それに、やっぱり下着は体操服の下から透けてしまう。派手な柄だったりすると男子生徒への影響を考えてしまいますよ」
一方で、「白下着」をめぐる校則は、学校側が積極的に残したものではないと話す。