一方で、若者の反応に驚く、中年世代と見られる人たちの投稿も目立った。
〈今日バイトの子から、「人生で初めて週刊誌を買いました」と報告を受ける。「週刊文春」を買ったという。「なんで?」と聞いたら、「今、若い人の間で、これだけは読んだ方がいいって話がかなり回ってるんですよ」とのこと〉(語夢万里文庫 チーム〈でがらし〉さん、Twitter)
〈昨日、帰りの電車でも若いサラリーマンが文春を読んでいたな。今見たら完売御礼だとか。この問題に無関心でいられない人が多いことに少し安堵している〉(菊地みつさん、Twitter)
この“現象”を書店員はどう見ているか?
それでは一体なぜ、今回の「森友スクープ」は“若い世代”にまで届いているのか。都内の書店員(30代・男性)はこう語る。
「私の周りにも、今回の『週刊文春』で初めて週刊誌を買った、という若い女性がいます。そもそも『週刊少年ジャンプ』でさえ、最近は中年のサラリーマンが中心で、若い人が買っているのはあまり見ないので、やはり印象的な現象です」
実際に「森友スクープ」を読むために初めて週刊誌を買ったのは、どんな若者なのか。
「初めて『週刊文春』を読んだというその女性に、『伊藤詩織さんって知ってる?』と聞いたんです。そうしたら『知らない』と。それは結構驚きました。日本だけじゃなく、世界でも話題になった方ですし、しかも若い女性だったら知っていてもいいような話じゃないですか。そうした情報さえ、これまでどこからも入らなかったような人が、今回は読もうと言っている。それはすごいな、って思いますね」(同書店員)
今回の記事はただの「情報」ではない
つまり、これまでニュースへの関心や政治的な意識が決して高くなかった若者が、今回は反応しているのだという。
「若い世代はそもそもモノを持つ、ということに抵抗があります。どうせ捨ててしまうものを持つのは無駄だ、という感覚があるんでしょうね。でも今回の記事は、繰り返し手元に置いて、いつでも読み返せるようにしたい、という思いがあるのではないでしょうか。立ち読みや回し読みではなく、実際に買うという行為に至ったのは、今回の記事はただの情報ではないという、“重み”を感じとったからではないかと、私は理解しています」(同書店員)