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なぜ「森友スクープ」は若者に読まれるのか?

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Instagramを見て「何かが起きている」と思った

 今回の「森友スクープ」を読むために初めて週刊誌を買ったという女性(20代・学生)は、アカウントをフォローしているが、実際には面識のない複数の女性が、Instagramで相次いで「今回の『週刊文春』は読んだほうがいい」と発信しているのを見て、「自分も読んでみなきゃ」と思ったという。

「誰か特定の人の投稿が拡散されていた、というわけではなくて、何人もの人が別々に『週刊文春』の写真をアップしていたんです。30代の女性が多かったと思いますが、そうした投稿が次々と流れてきたので、『これは何かが起きている』と思ったんです」

Instagramで「#週刊文春」と検索した画面

 確かにInstagramで「#週刊文春」と検索すると、赤木さんの手記が掲載された3月26日号の表紙写真がいくつもヒットする。

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「私は今までこういうことから目を背けてきたんですが、これは絶対に読まなければいけないと思いました。実際に読んでみたら、あまりに辛くて、信じられないような事実が綴られていて、涙が止まりませんでした。こんな重大なことに無関心だった自分が恥ずかしくなったし、これから日本の政治に対して、ちゃんと関心を持って行動していこうと思いました」(同女子学生)

再調査に応じようとしない安倍政権

 今回の手記の公表後、麻生太郎財務相は「新たな事実が判明したとは考えられない」と、再調査を否定。安倍首相も一連の問題に対して「行政府の長として責任を痛感している」としながらも、やはり再調査には応じない姿勢を示している。

 一方、国と佐川氏を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こした赤木さんの妻・昌子さんは、3月27日からキャンペーンサイト「Change.org」で再調査への賛同者を募り始めた。すると、5日後の4月1日には賛同者が26万人を突破。これは、同サイトでは過去最多・最速の動きだという。

安倍首相と麻生財務相 ©AFLO

「なんて世の中だ、手がふるえる、恐い」

 赤木さんは死の直前、震えるような文字で、そんな一文をノートに走り書きしたという。その最期の声に耳を傾けた若い世代は、無関心だった自らを恥じながら、赤木さんが絶望した「世の中」を変えるため、動き出そうとしている。

 本来であれば、赤木さんの思いにもっとも真摯に向き合わなければならないのは、安倍政権と財務省のはずだ。しかし、彼らだけが、この問題から目を背けているように思えてならない。そんな“大人たち”の姿を、「今までこういうことから目を背けてきた」若者たちもまた、注視している。

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