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「私のほうが先に帰国して、妻の配偶者ビザを取得するために必要な『在留資格認定証明書』を出入国在留管理庁で申請していました。しかし、いっこうに交付がされない。調べてみると、今年の2月頃から交付がすべて止まってしまっているというのです。 

 これでは、いつ妻に会えるのかもわからない。情報が錯綜しているため、関連するニュースが出るたびに一喜一憂してしまう。精神的にかなりつらい日々を送っています」 

世論に影響される、外国人の処遇

 名城大学法学部の近藤敦教授によると、外国人の在留資格は日本にいる間は日本で生活する権利を保障するものの、再入国する権利を保障するものではないという。再入国に関連する権利は、日本も批准している国連の国際人権規約(自由権規約)に定められている。 

「12条4項に『何人も自国に入国する権利を恣意的に奪われない』という条文があります。国連の自由権規約委員会の多数意見は、この『自国』の範囲は『国籍国』より広いとしている一方で、日本政府はこの『自国』を非常に狭く定義してきた。日本は国としての主権を強調しているため、人権の面では少し弱い。 

 家族が結合する権利の保障についても、弱いところがあります。自由権規約の23条には『家族は、…社会及び国による保護を受ける権利を有する』『家族を形成する権利は認められる』とあるのですが、日本国憲法では同様のことは明文化されていない。たとえばヨーロッパなどでは、ヨーロッパの人権規約に家族生活の権利が明確に規定されています」(近藤敦教授) 

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 一方で、3月末には、南米で足止めされたペルー国籍の日系学生をめぐりこんなことがあった。国籍を理由に、学生が日本政府チャーター便搭乗を断られた件を西日本新聞「あなたの特命取材班」が報じた4日後、搭乗が許されたのだ。新型コロナ下での外国人の処遇には、世論が大きく関わっているように見える。  

「法律で明確に白黒決まっていない部分は、法務大臣が様々なことを考慮した上で判断します。その際、法律の運用に世論が影響を与える余地があります。 

 今回の外国人の処遇についても、感染防止を重視する世論が強ければ厳しい対応になるでしょうし、外国人の権利に寄り添った世論が出て来れば、より人道的な配慮のある対応になるはずです」(同前)

「帰化しないのは、何かやましいことがあるからではないか」

 7月7日、チョーヒカルさんが自身の状況をツイートしたところ、1.2万件を超えるリツイートがあった。共感を寄せる反応もあったものの、批判的な反応が多かったという。 

チョーヒカルさんのツイート

  

「『国籍を取らなかったんだから当然でしょ』『なぜ帰化しないのか』という反応が多かったです。ひどい人は、『帰化しないのは、何かやましいことがあるからではないか』『中国は〇〇な国なんだからそういう扱いをされて当然』とか。でも、帰化って簡単にできることではないし、国籍に対するいろいろな思いもある。

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