中国からの影響力を排除しようという流れがある
平田オリザさんと言えば、兵庫県豊岡市で来年2021年4月の開校を予定している「国際観光芸術専門職大学(仮称)」の学長になることが決まっており、この少子化の時代に結構なカネをかけて兵庫県立の専門職大学を僻地に立てるというので、学術的な裏付けが欲しかっただけなんじゃないかと思うんですよ。平田さん以外にも、周囲から見て「えっ、この人が学術団体の会員に任命されるの?」という人物がまともな学者さんに混ざって入り込んでいて、その割に宇野先生や加藤先生といった人が排除されてしまうというのは意外です。もうこれは、菅さんがみんなに面白がってもらうためにやっているネタであるとしか思えません。
もちろん、現在はこういうアカデミックな世界に中国からの浸透が進み、どういうわけか甘利明さんが会長になって経済安全保障の対策が自民党内で進んでいます。ここの中に、大学や研究所、シンクタンクなど知識人ネットワークにおける中国からの影響力を排除しようという流れがあって、たとえ権威ある日本学術会議の会員と言えども日本の安全保障議論に真っ向から反対するような人物は容認されるべきではない的な議論があります。
自民議連が提言取りまとめ、国連ポスト確保 甘利氏「戦略的組み立てを」
https://www.sankei.com/politics/news/200827/plt2008270015-n1.html
ここで甘利さんに食い込んでいるのは多摩大学のルール形成戦略研究所という羽振りがよさそうな割にイマイチやってることがよく分からないシンクタンクにおられる國分俊史先生で、突然「ステイトクラフト論」という地政学と経済ルール作りによる国際競争の話を甘利さんがし始めたので「きっと何かを吹き込まれているんだろう」とワクワクしながら状況を監視しています。
「安倍政権の進める安保法制は違憲」と主張した人たち
そして、皆さんにも是非思い出していただきたい、2015年、当時の総理大臣安倍晋三さんの命運を賭けた「安保法制」での法案審議で紛糾した衆院特別委員会で、野党推薦の有識者として「安倍政権の進める安保法制は違憲」と主張した人たちが今回、菅さんから「任命できない」とされておるわけですね。
菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 安保法制、特定秘密保護法、辺野古などで政府に異論
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59092
なぜか東京新聞では触れられていませんが、そもそも日本学術会議は2017年、突然「軍事的安全保障研究に関する声明」とかいうお言葉を発表。物議を醸しました。