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「6年生のクラスを受け持っていた40代の男性教員が、休み時間にクラスの女子生徒をヒザに座らせていたんです。生徒本人は気にしていなかったのですが、ほかの教員がその様子を見て『小学6年生の女子が先生のヒザに座るのはさすがにおかしい』という話になり、その教員は厳重注意を受けました。

 生徒本人はよくても、ほかの生徒が不快に思うこともありますからね。自分なら、絶対に生徒をひざに乗せないです」

※写真はイメージ ©️iStock.com

 前出教員と生徒の距離の近さについては、一部の保護者からも懐疑的な声が出ているという。また、ほかの教員による、若い女性教員に対するセクハラも横行しているという。

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「中高年のベテラン教員が20代の女性教員に身につけている下着の色を聞いたことが、職員室内で問題になりました。彼女もかわいそうだし、そもそも業務に関係ない。何より、自分が“セクハラ発言をしている”という自覚がない人には、子どもたちに関わってほしくないですよね」

 2018年度は45人の教員(*)が、教員からのわいせつ被害に遭っているという。

現役の教職員からも復帰に反対する声

 たとえ、わいせつ教員が教壇に復帰しても「現場の負担は増えるだけでは」と津田さんは指摘する。

「とくに小学生は、本人たちが被害に気づいていなかったり、何かイヤなことをされても言語化できなかったりと、ケアが必要な年齢です。子どもたちを最優先に守らなければならない学校に、わいせつ行為の前歴がある教員がいるだけで、周囲の教員はより気を配らなければならない。いくら人手が足りなくても、戻ってきてほしくないです」

 保護者だけでなく、現役の教職員からもわいせつ教員の復帰に反対する声は多いようだ。

※写真はイメージ ©️iStock.com

 萩生田文部科学大臣は「再交付反対の署名」を受けて、以下のように語った。

「個人的には、わいせつ教員を教壇に戻さない方向で法改正を目指していきます。ただ、数年経って更生して戻って来たいという人たちに、“職業選択の自由”をあらかじめ拒むことが憲法上できるのかという課題がある」

 今や大きな社会問題となっている“わいせつ教員問題”。現場の模索は続きそうだ。