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 なお、「夫婦別姓でもよいようにするべきだ」「同性婚が認められていないのは問題だ」「男性の育児休暇を義務にするべきだ」「セクハラ、パワハラが多い」については、地域差はあまりない。

「正規雇用や非正規雇用の区別をなくして、みんなが能力やライフスタイルに合わせて契約をして働くほうがよい」「氷河期世代・ロストジェネレーションへの支援が足りない」といった働き方についての意見も地域差はなかった。

東京圏で移住したい女性は高学歴・正規雇用・高年収が多い

 また女性の移住希望者の属性をmif(編集部注:三菱総合研究所による生活者市場予測システム)の2020年6月の調査から集計してみた(そのため、これは追加調査の「日本人の意識と価値観調査」とはサンプルが異なる)。

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 すると、東京圏の女性と地方の女性の差は意外なことにあまり大きくなかった。

 移住希望者の年齢は移住を希望しない人より若めであり25~29歳が多く、よって未婚者が多く、子どものいない人が多い。ただし地方では移住希望者で未婚者の割合が東京圏より少なく、したがって子どもがいる人がやや多めである。

 学歴は東京圏も地方も、移住希望者が希望しない人より4年制大学卒の割合が5ポイント多い。高学歴化が移住希望を高めるのである。

 就業状況は移住希望者のほうに正規雇用が多い。また東京圏は移住希望者と希望しない人の正規雇用率の差が8ポイントと大きい。東京圏では正規雇用であることが移住希望を高めると言える。

 年収は、東京圏では移住希望者のほうがやや高い。

 また、移住希望者は東京圏でも地方でも生活全般満足度が低い。分野別で特に不満が多く、かつ移住希望しない人との差が大きいのは、東京圏では、仕事・学業、能力発揮である。

 地方で特に不満が多く、かつ移住希望しない人との差が大きいのは、仕事・学業、能力発揮、ファッション、友人・知人との付き合い、地域の方との付き合いである。

 ストレスの原因についての質問では、東京圏の移住希望者は仕事上の人間関係、経済的な問題を挙げる人が多く、移住希望しない人との差がどちらも8ポイントと大きい。