Q ガソリン税で話題の「トリガー条項」…これはなに?トリガーを引くとどうなるの?
親戚が運送会社を経営しているのですが、このところの燃料価格高騰で経営が圧迫されているようです。そんなおり、ニュースを見ていると、ガソリン税を一時的に軽減する「トリガー条項」の発動を求める声が出ていると聞きました。
この「トリガー条項」とは一体何なのでしょうか。また、なぜいま、その条項が使われていないのでしょうか。(10代・女性・学生)
A トリガーを引くと税金が下がります。しかし…
トリガー条項ができたのは2010年度の税制改正です。トリガー(trigger)とは引き金という意味です。
国民生活に大きな影響があるガソリン価格が高騰したときには、揮発油税(いわゆるガソリン税)などを引き下げることができるようにしました。これが「トリガー条項」です。
レギュラーガソリン価格の全国平均が1リットル160円を3カ月連続で超えた場合、ガソリン税(53.8円)のうち25.1円分の上乗せ課税を止める仕組みです。
でも、東日本大震災が起き、復興のために莫大な政府資金が必要になったことから、「税収が減っては大変」と考え、トリガー条項は一時凍結されていました。
いまこれだけガソリン価格が上がっているのだから、税金を減らせばいいじゃないかと考えるのは当然のことでしょう。
ところがトリガー条項を発動すると、地方揮発油税や軽油引取税も減り、総務省の試算によると、地方自治体に入る税収のうち5000億円分が消えてしまうのだそうです。そうなれば地方自治体の反発は必至。そこで政府はトリガー条項を発動したくないのです。
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