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3 運動で体重を落とそうとする人

 えっ? と意外に思われる読者も多いでしょうが、これは真実です。何万人もの患者さんを診てきた経験値からいえることは、運動は「体重維持」「体型維持」に適していて、最初に体を絞る目的で行うと、トレーナーがついて指導したりよほどストイックに取り組める方でないかぎり、失敗するケースが多いんです。もちろんランニングやエアロビ、スイミングなどの適度な有酸素運動は体に悪いはずがありません。しかし、太った人が最初から運動すると、それだけエネルギーを消費するので余計に食べ物を摂りたくなります。食欲が亢進し、「運動したから大丈夫だろう」と、つい食べてしまう。運動によってもとの体重を減量するのではなく、食べたものを消費するための運動にいつの間にかすり替わってしまう人が非常に多いのです。運動したあとのビールが美味いからビールのために運動しようといった具合に(笑)。

むやみな運動は逆効果 ©共同通信社

 私はアスリートの人も多く診てきましたが、サッカー選手にしろ野球選手にしろオフシーズン明けは必ず体重が増えています。彼らはまずは食事をコントロールして体重を適正にまで落としてから、キャンプインして本格的なトレーニングを開始します。アスリートですらそうなのですから、一般の人はなおのこと食べ過ぎの体をしぼってから運動で筋肉をつけていくべきです。この順番を間違えると、ダイエット目的の運動で逆に体重を増やしてしまう失敗を招くことでしょう。ダイエットにおける運動は、絞って代謝のよくなった体をキープするために行うのがお勧めです。

4 自分を褒められない人

小さな失敗で止まらず、うまくいったことを認める ©鈴木七絵/文藝春秋

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 これは女性に多いのですが、自己承認力の低い人はなかなかダイエットがうまくいきません。もっというと、自分を褒められない女性ほどけっこう体重を増やしてしまっている方が多い。ダイエットに取り組むなかで、日々の小さな失敗や予定が狂ってしまうことはだれにでもあるでしょう。そんなときにできなかった自分をいつまでも責めたり、そのたびに落ち込んだりしているとうまくいきません。続けるコツは、できなかったことではなく、できた部分を認めて、自分を褒めてあげること。体重も少しリバウンドしたからといって卑下せずに、数週間の取り組みのなかで、改善していく自分を評価する。女性はとくに小さな成功体験を重ねて、綺麗になっていくことで自己承認力が高まります。痩せて美肌になりどんどん魅力的になっていくと、日常のコミュニケーションも積極的になり、自然と身につける服も明るく華やいだものになります。スニーカー女子がヒールを履くようにもなります。男性も自信があふれて、かっこよくなりますね。自分を認めることがダイエットのコツです。ダイエットの成功を重ねていくことが自分の大きな自信になってきます。そんな好循環を目指しましょう。