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 乗客や清掃員などを邪魔しないように、撮影区域が指定されていた。しかし、18番ホームに到着する列車を18番ホームで撮ったら、先頭車の「顔」の部分しか撮れない。編成全体の写真を撮るために向かい側17番ホームに行きたい。それもお願いしたら許可してくれた。厳しいけれど許してくれる。こうして無事に撮影会が終了した。

T3編成のドクターイエロー リニア・鉄道館にて(筆者撮影 2011年)

 ファンが作った「ドクターイエロー」の運行予想サイトに6月14日の運行は無かった。定期的な計測試験ではなく、試運転だったようだ。もしかしたら、報道撮影用に仕立てたダイヤで、沿線各地の報道機関に撮影の機会を提供したのかもしれない。東京駅の発着時刻はほぼ予想サイト通りだった。さすがだなあ、と感心した。

ダンゴ鼻の顔のT1編成は1975年に廃車

 前出の通り、ドクターイエローにはJR東海保有の「T4編成」とJR西日本保有の「T5」編成がある。T4ってことはT3もある。T2、T1もある。

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現在のドクターイエローのベース車両は700系だった

「T1編成」こと922形は東海道新幹線の開業と同時に稼働した。新幹線試作車両の1000形を1964年に電気試験車に改造した。試作車時代の知見が営業車両の0系になる。いわゆるダンゴ鼻の顔だ。老朽化のため1975年に廃車された。

「T2編成」も0系がベースとなった。922形で製造番号は10番代。こちらは新製車両だ。「T1編成」を交代させるため1974年に製造された。2001年に引退。

「T3編成」もダンゴ鼻の0系ベース、922形20番代だ。1979年に製造された。1975年に山陽新幹線が博多まで延伸し、検査距離が長くなった。さらに「T2編成」が定期点検に入ると検査業務ができなくなる。そこで追加された車両だ。ドクターイエローはここから2編成運用になった。2005年に引退し、先頭車両は名古屋市の「リニア・鉄道館」で展示されている。