近江友里恵アナの朝への転出に伴い、『ブラタモリ』五代目アシスタントになった林田理沙アナが、京都東山・銀閣寺の回でデビューした。

「林田理沙と申します。よろしくお願いします」。緊張している林田アナに、タモリが「なんて呼べばいいの?」と訊く。音読みで「リンダ」と呼ばれることが多いです。

「リンダ……リンダ……うーん、一日考えよう」と、いまひとつ納得できない様子のタモさんは銀閣寺に向かう。

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番組公式サイトより

 室町幕府八代将軍の足利義政は、なぜ東山の奥に隠遁したのか。銀沙灘(ぎんしゃだん)、向月台などポップ感覚もある庭を見ていると、正面を東山が覆い、京の街(洛中)に背を向ける作りだ。「義政は応仁の乱なんかで、京の街を見たくなかったのかも」とタモリ。

 初回とあって口数の少ない林田アナに、お坊さんが向月台の形は何に見えますかと訊く。「プリンですよね」と明るく答える姿に、多くの視聴者が、近江アナとまた異なる天然ぶりを見つけ、好感度は一気にアップ。私もプリン党だけど、天然とは評されず、無知と笑われるだけだな。

 東京芸大卒の林田アナ。楽理を専攻って、どんなことするのと訊かれ、「日本でなぜあんなにピアノが普及したか」などの問題を研究し、絶対音感もあるんだって。

 端整な顔をして、知的なオネーサンに見える五代目は、番組恒例の地層噺になると、断層崖を「ダンソンガイ」と読んだり、「ダン・タイ・ソンもいますね」と、ショパン・コンクール優勝のベトナム人ピアニストの名を挙げ、さすが楽理専攻だけある。

 場所移動のとき「あ、リンダ」とスタッフ。腰を落とすリンダ。「何してるの?」とタモリが訊くと「靴のヒモが緩んじゃって」と、ヒモを固く結ぶ。いいね、リンダ。

 じつは私の学生時代にも、仲の良い「リンダ」がいた。もっともこちらの林田君はむくつけき男子学生だけど。いい奴だったな、リンダ。私と同じで六〇年代のポップスが好きでね。貴重なコレクションを四十六分のカセットに何本も収録してくれた。

 そうだ、原曲はディッキー・リーが歌い、日本では飯田久彦がカバーした「いとしのリンダ」っていう、軽くてポップ、とてもご機嫌な曲があった。タモさんは「理沙っていいね」派のようだが、知的な顔してドジもやらかす彼女は「リンダ」が似合うんだけどな。「いとしのリンダ」をテーマ曲に好感もたれるといいね、林田君。

タモリさん ©文藝春秋

▼『ブラタモリ』
NHK総合 土 19:30~20:15
https://www.nhk.or.jp/buratamori/