人口約10万人の町にしては妙に駅前が寂しいような…
と、箕作阮甫さんに気をとられてしまったが、津山という町、駅の周りに他に何があるのかと問われると、これが難しい。ホテルやコンビニ、いくつかの飲食店などもあるにはあるのだが、おおざっぱな言い方をすれば、“何もない”というのが正しい。少なくとも10万人近い人口を抱える都市の駅前風景とは思えない。
こういう場合は、中心市街地が駅から少し離れた場所にあるのが常だ。ちょうど、津山駅のすぐ北を吉井川が流れている。きっと、駅前から吉井川を渡った先に市街地があるに違いない。
そう思いながら、駅のすぐ近くで橋を渡る。すると、もう橋の上からも見えるのだ、天満屋の看板が。東京や大阪の人には馴染みがなかろうが、少なくとも中国地方では知らない人がいない(と思う)百貨店・天満屋。
川の向こうの町中に、大きなビルと天満屋の看板。それに、橋を渡った先にも商店街のような町並みが続いているのがわかる。津山駅、橋の向こうが中心市街地なのだ。
商店街を目抜き通りに沿って歩く
橋を渡ってそのまま続く目抜き通りの商店街。少し進んで京町という交差点から西に向かっては、アーケードの商店街が続いている。アーケードの突き当たりには例の天満屋をはじめとする商業施設や図書館、文化ホールなどが入った「アルネ・津山」。アーケードやアルネ・津山の周辺に人通りが少なかったのはたまたまなのか、それともどうか。
アルネの脇から北に向かっても、またアーケードが延びている。そこからまた西にもアーケード。人通りの多寡は別にして、この辺りが10万都市・津山の古くからの中心市街地であることは間違いなさそうだ。
アーケードから分かれている路地の向こうにはスナックが軒を並べる一角も。歓楽街と商店街を兼ねたような、小規模ではあるけれど必要充分。こういう地方都市の商店街というのは、町が刻んできた歴史を感じさせてくれて、歩いていてもなかなか楽しいものがある。