Q 「こういう大学には通いたくないなあ」と思ってしまいます。

 日大アメフト部の内田前監督や井上前コーチ、大塚学長などによる記者会見が、次々と行われました。会見をニュースで見ていても、「学生を守ろう」という意思が全然感じられず、「こういう大学には通いたくないなあ」と思ってしまいます。本来、大学としてはどういう行動をとるべきだったと思いますか? どうすれば「日大ブランド」を守れたのでしょうか。(10代・女性・高校生)

A 危機管理を担当する広報部の役割が大切です。

 私の仕事仲間にも日本大学の卒業生がいます。仕事熱心で、母校に誇りを持っています。そういう人たちを見ていると、「あの大学は……」という言い方はしたくありません。

 ただ、危機管理学部まで持っているのだから、危機管理をしっかりすべきだと考えます。

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 危機管理の鉄則は、何か事件やスキャンダルが起きたら、直ちに徹底的に調査し、できるだけ早い段階で責任者が出てきて謝罪することです。

 今回のことでいえば、悪質なタックルの映像がテレビで放映されるようになる前から、関西学院大学の人たちが激怒していました。そういう情報をいち早く掴み、映像を確認。関係者から聞き取り調査をして、理事長が謝罪会見をすべきでした。それをしていれば、大学の名誉やブランドは守られたでしょう。

2018年5月22日、記者会見に臨んだ宮川泰介さん ©文藝春秋

 こうした対応を取れるようにするためには危機管理を担当する広報部の役割が大切です。

 多くの組織で、広報とは組織のいいところを広く知らせる仕事だと誤解されていますが、そればかりではありません。

 組織にとってマイナスになることをどうやって防ぐか、ダメージをどうすれば最小限に抑えることができるか、常に目配りをするのも広報の役割なのです。

 日本大学にとっては遅きに失したとはいえ、たったひとりで堂々と自分の責任を認める学生がいるのも日本大学なのです。日大は、彼によって救われています。今度は大学自らが動く番です。

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