2人だけが有罪判決を受けたが…「組織的犯行だった」
そもそも、吉村氏の行動が端緒となり、件の談合は明るみに出た。
「罪を犯しているという思いからずっとモヤモヤしていました。ただ役所組織の中で談合への関与を申し出ても、もみ消されると思い、2022年8月に警視庁に公益通報しました」(同前)
吉村氏と嶋崎元区議2人だけが有罪判決を受けたが、吉村氏は「実際は組織的犯行だった」と主張し、談合が疑われる工事は他にもあると証言する。
その1つが、千代田区四番町の図書館・区民アパート・保育園などが入る公共施設の建て替え工事。区が100億円以上の税金を投入し、目下工事を行っている。
「捜査中、私に接触してきた嶋崎氏の代理人弁護士によれば、嶋崎氏は『(四番町の談合は)俺のやったことだ』と認めていたそうです」(同前)
嶋崎氏を直撃すると、「(談合関与は)違うよ。もう勘弁して」と答えた。
もう一つの“隠蔽疑惑”
だが、樋口区長が隠蔽する疑惑は、それだけではない。
「吉村氏から情報提供を受けた警察は、2022年秋頃から関係職員の事情聴取を開始。最中の同年12月頃、談合があった工事の入札価格の積算を担当していたとみられる職員X氏が自宅近くの公園で自死していたのです」(区関係者)
この自死に絡んで、刑事が取り調べ中に吉村氏に漏らした一言があった――。
1月29日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」、および1月30日(木)発売の「週刊文春」では、吉村氏の実名告発を基に、樋口区長が蓋をしてきた千代田区の闇を詳報する。
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