「見ると幸せになる」と言われるJR東海の点検車両「ドクターイエロー」が2025年1月29日、ラストランの日を迎えました。JR名古屋駅や河川敷などには、最後の姿を一目見ようと多くの人が集まり、「ありがとう」と声を掛けていました。

■「走るお医者さん」として新幹線開業から支え続けた

ドクターイエローは1964年、東海道新幹線の開業とともに導入されました。運行ダイヤは非公開で、「見ると幸せになれる」と多くの人に親しまれてきました。

 

現在の車両「T4編成」は、東海道新幹線を2020年に引退した「700系」の新幹線がベースで、2001年から走行しています。時速270キロで走りながら、レールの歪みを0.1ミリ単位で見つけるほか、架線のズレなどを正確にチェックします。

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さらに、架線からパンタグラフに送られている電力が安定しているかもチェックしています。まさに「走るお医者さん」として、山陽新幹線も含む東京〜博多間で検査を続けてきましたが、老朽化に伴い、ついに引退の日を迎えました。

■河川敷に響いた「ありがとう」の声

名古屋市中村区の河川敷には、ドクターイエローを見送ろうと多くの人が集まっていました。

 

子供A:
ドクターイエローが来る大体4時間前くらいから来ている。楽しみです。
子供B:
(Qどの電車が一番好き?)ドクターイエロー。ハートも描いた。楽しみ。

 

長年見守ってきた鉄道ファンは、その最後の姿に、「ありがとう」と声を掛けていました。

 

男性:
本当に最高でしたね。何よりも「ありがとうT4」という文字が見えまして。僕が生まれる何十年も前からなんですけど、今まで安全を守ってもらってありがとうございました。

■ついに引退…ラストランの終着点はJR名古屋駅

1月29日午後4時頃、JR名古屋駅の新幹線ホームには、人だかりができていました。カメラを構え待ち受ける中、「ドクターイエロー」が現れました。

 

モデルチェンジを重ねながら、線路の安全を守ってきた人気者が、ついに引退です。

7歳の男の子:
悲しいし、かっこいいし、見れて良かった。

40代男性:
幸せをくれてありがとうございます。

半世紀以上にわたって日本が誇る新幹線の安全を守ってきたドクターイエローは引退後、名古屋市港区の「リニア・鉄道館」で展示されます。

(東海テレビ)